研究課題/領域番号 |
22K08628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
福田 一起 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (70884592)
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研究分担者 |
松村 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)
前田 沙梨恵 熊本大学, 病院, 医員 (30836234)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵腺房細胞 / 膵外分泌細胞 / 糖代謝 / 脂質代謝 / NAFLD |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病発症と膵腺房細胞間の相互制御については未だ十分に解明されていない。本研究では、生体内における膵腺房細胞制御による糖尿病や脂肪肝の進展における役割の解明を目的とする。 ・2022-2024年度の事業について ①薬剤誘導性膵炎モデルマウスを作成し、膵腺房機能低下が糖尿病発症および脂肪肝進展にどのように影響するか検討する。②目的の蛋白質(Aとする)を過剰発現する膵腺房細胞株を作成する。③膵腺房細胞特異的A過剰発現マウスを作成し、糖代謝や脂肪肝への発症進展を検討する。④人において脂肪肝と膵外分泌酵素がどのように関係するのか検討する。以上の検討を助成期間終了までに行う予定です。
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研究実績の概要 |
令和4年度は膵腺房細胞機能低下が膵β細胞の増殖・過形成、脂肪肝炎をきたすという仮説を検証するため、薬剤誘導性膵炎モデルをC57BL/6Jマウスをもちいて作成した。①Vehicle+通常食群(通常群)、②Cerulein+通常食群(膵炎群)、③Vehicle+ 高脂肪食群(高脂肪食群)④Cerulein + 高脂肪食群(高脂肪食膵炎群)の4群を作成し、8-10週間飼育し、血清膵外分泌酵素やインスリンの測定、耐糖能評価(ipGTT,ipITT)を行った。薬剤誘導膵炎モデルは既報を参考にし使用したが、薬剤投与後8週の段階で薬剤投与前の血清アミラーゼと比べて十分に低下しておらず、他のマウスに比べて血清アミラーゼの低下が認められない個体については薬剤誘導性膵炎が十分に惹起できていないと判断し、解析から除外した。最初のコホートを終え、単離した膵臓、肝臓の病理切片を作成し、免疫染色を行い、膵β細胞の増殖や脂肪肝炎の評価を行っている。すでに開始している第2コホートの評価が終了した後に、解析に十分なサンプル数が確保できる予定である。、 また、in vitroにおいてはlipoprotein lipase (LPL)過剰発現ベクターの作成を行った。Adenovirusベクター下にhuman LPLを過剰発現させるベクターを作成し、293細胞へtransfectionを行い、LPLの過剰発現を確認するすることに成功した。作成したAdenovirusベクターをラット由来膵腺房AR42Jにtransfectionし、LPLタンパク質は平均2.5倍以上になることを確認した。現在は、CMVベクターによるLPL過剰発現ベクターを作成しており、LPL過剰発現マウスを作成するために準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
診療業務、新たな臨床研究の開始、さまざまな制度の変革時期(働き方など)であったため、令和4年度中に掲げた実験計画のすべてを完遂することが出来たわけではないが、概ね行うことが出来たと考える。
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今後の研究の推進方策 |
提出した実験計画に基づいて研究を実施しているが、試行と結果の解釈考察を繰り返しながら、仮説を証明するために適切な研究を行うために日々ブラッシュアップしている。また、結果の協議などについては、自己のみで行うわけではなく、研究分担者との日々の協議、また所属講座内のカンファレンスで積極的にプレゼンテーションを行い、客観的な意見を取りいれている。 研究進捗はおおむね計画通りであるが、初年度のすべての計画を完遂できたわけでないため、令和4年度中に精度を上げた研究を引き続き行い、着実に無駄なく研究を続けたいと考えている。 研究成果が出た場合には、学会発表などを積極的に行っていきたい。
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