研究課題/領域番号 |
22K08631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10253262)
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研究分担者 |
横山 信治 中部大学, 応用生物学部, 客員教授 (10142192)
奥平 桂一郎 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10425671)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遊離コレステロール / SR-BI / HDL / apoA-I |
研究開始時の研究の概要 |
HDLコレステリルエステル(CE)はスカベンジャー受容体BI(SR-BI)により標的細胞内へ運搬され、遊離コレステロール(FC)へ分解されると理解されている。SR-BI欠損マウス血漿では超大型HDL-総コレステロール(TC)が10倍以上上昇する。今回このTCの詳細を検討したところ本来殆ど検出されないFCがその45%を占めていた(未発表データー)。本研究課題はSR-BIがHDL-CEでなく、HDL-CE由来のFCを取り込む受容体である可能性を作業仮説とし、SR-BI欠損マウス血漿FCの由来を詳細に検討する。社会への波及効果並びに学術的効果はコレステロール排出の正しい理解を提供することである。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、HDLコレステロール受容体であるSR-BIの欠損により血漿中で上昇する遊離コレステロールの起源を調査する為に新しいアプローチを試みた。該当年度においてHDL-FC (高密度リポタンパク質中の遊離コレステロール) の放射性標識を評価し、HDL-CE から血中の FC への変換を決定するために、HDL の CE を放射性標識し(辻田)、マウスの血液に投与した(中須賀)。 放射性トレーサーのマウス尾側静脈への投与後 90 分で血漿サンプルを回収した。 本研究成果は、放射性標識 FC が野生型マウスと比較して SR-BI 欠損マウスで実際に増加していることを示しており、CE から FC への変換が血中で起こっているという考えを支持しています。またHDLの主要な構成タンパク質であるApoA-Iの本機構への寄与を評価する目的でApoA-IとSR-BIのダブルノックアウトマウスを作成しました。血漿リポタンパク質はゲルろ過HPLCでの評価(奥平)に加え、密度超遠心法で分離し、ネガティブ染色にて粒子径を測定(高瀬)し、遊離コレステロールを大量に含む大型HDLの出現を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SR-BI欠損マウスに加え、apoA-I欠損マウスとのダブルノックアウトマウスの作成に成功している。 これらのマウスのリポタンパク質の組成についてゲル濾過HPLCを用いた分離と比重超遠心法による分離を行い、脂質組成、電子顕微鏡を用いた粒子サイズの観察と画像解析アプリの利用により解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肝癌由来細胞株HepG2細胞並びにヒト副腎皮質株NCI-H295細胞へSR-BI阻害剤を添加し、輸送活性を遮断し、培養中のHDLの脂質変化を検証する。放射標識したコレステリルエステルを含むHDLを添加することで培養液中において遊離コレステロールが産生されるのか検証する。
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