研究課題/領域番号 |
22K08632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
吉田 昌史 自治医科大学, 医学部, 講師 (50528411)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インスリン分泌 / 膵β細胞 / cADPR / CD38 / 糖尿病 / イメグリミン / インクレチン |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病(DM)は発症前にインスリン分泌第1相の低下が生じる。つまり、その低下機序解明は2型DM発症抑制に直結するが未解明である。申請者は過去に新規インスリン分泌経路(TRPM2経路)を発見し、第1相分泌惹起に必要不可欠であることを報告した。そこで申請者は、TRPM2経路障害が2型DM発症に先行すると仮説を立て、予備的検討にて証明してきた。本研究にてその詳細な機序を解明し、TRPM2経路の障害が糖尿病発症・病態悪化に関与することを証明する。糖尿病診療を「治療」から「未病」へと転換する重要な研究テーマである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、健常人のインスリン分泌第1相低下機序を示し、2型糖尿病発症抑制研究へと繋げる事である。インスリン分泌には「食直後に素早く血中インスリン濃度が上昇」する第1相と、その後に続く第2相がある。初期の2型糖尿病患者は、空腹時血糖は正常にも関わらず食後血糖が上昇するが、その原因の一つは第1相分泌の低下である。インスリン分泌第1相の低下が2型糖尿病発症の要因であるならば、その低下機序を解明し、第1相低下の予防法を示すことは2型糖尿病発症抑制へと繋がる重要な研究課題であるが、解明されていない。これまで我々は、TRPM2チャネルがインスリン分泌第1相形成に重要な役割を果たしている事を報告してきたが、TRPM2経路の異常が2型糖尿病発症に関与するかどうかは不明である。本研究にて解明するべく研究を実施した。2型糖尿病モデル動物であるGKラットは、週齢が増すにつれて第1相分泌が低下し、ヒトと同様の過程で2型糖尿病を発症する事が明らかとなった。その原因はグルコース依存性のTRPM2の開口反応の低下である事も明らかとなった。これまで我々は、EPAC2AーTRPM2を介するインスリン分泌第1相惹起経路を報告してきたが、GKラットにおいてその経路の障害は無かった。TRPM2の発現量は増加していた。そのため、CD38、cADPRを介する経路の障害を考慮し、検討した結果、cADPRインヒビターは高齢GKラットのインスリンン分泌低下を更に抑制する事はなく、cADPRアクティベータは高齢GKラットのインスリン分泌を増強した。これらの結果はグルコースからcADPRに至る経路の障害が2型糖尿病発症に関与する可能性を示唆している。cADPR刺激の活性化は、2型糖尿病発症を抑制する可能性がある。TRPM2の後天的な変化により2型糖尿病を発症している可能性もある。本研究にて検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大に伴い、臨床業務が増大した点。研究活動が制限された点。これらにより、当初予定していた実験を計画通りに遂行することが不可能であった。糖尿病モデル動物は外部業者から購入しているが、若年での入荷頻度が少なく、研究計画に合致する個体の確保が困難であったことも研究計画がやや遅れてしまった原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は研究計画に合った週齢の糖尿病モデル動物の確保が困難な事が多く、実験が予定通り進まない事があった。今後の推進方策としては、動物搬入業者との連携を密にする事、施設内での繁殖を検討する事などが挙げられる。他研究期間との連携も検討する。COVID-19感染拡大も落ち着き、動物確保の点以外は比較的予定通りに研究は実施できるようになってきている。今後も引き続き、GKラット等における、グルコース‐TRPM2に至るまでの障害部位・シグナル伝達の解明 各種アクティベータ、インヒビターを用いたインスリン分泌測定、TRPM2電流密度測定等の実施予定であった研究計画を遂行する。適宜TRPM2-KOマウスを用いた検討を行う。cADPR刺激を活性化する物質の探索を継続し、候補となる物質を見出す。
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