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膵α細胞におけるSirt1の発現低下はグルカゴン分泌異常を引き起こす

研究課題

研究課題/領域番号 22K08643
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

菊池 司  群馬大学, 生体調節研究所, 研究員 (40739009)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードグルカゴン / Sirt1
研究開始時の研究の概要

近年、糖尿病発症の原因としてグルカゴン分泌異常が重要視されている。申請者は糖尿病におけるグルカゴン分泌異常の発症機序としてSirt1に着目し、「エネルギーセンサー分子であるSirt1の高血糖曝露下での発現・活性の低下がα細胞におけるグルカゴン分泌異常を引き起こす」という仮説を立てた。本研究では①LC-MS/MSによる高特異性グルカゴン濃度測定法、②グルコースクランプ法、③セルソーターを用いた単離α細胞の回収という3つの手法を用いて、膵α細胞特異的Sirt1遺伝子改変マウスの表現型解析を行うことで仮説を検証し、糖尿病発症に伴うグルカゴン分泌異常の機序の解明を目指す。

研究実績の概要

本研究では糖尿病におけるグルカゴン分泌異常の発症機序としてSirt1に着目し、「エネルギーセンサー分子であるSirt1の高血糖曝露下での発現・活性の低下がα細胞におけるグルカゴン分泌異常を引き起こす」という仮説を立てた。
そこでα細胞特異的Sirt1遺伝子改変マウスを作成し、表現型解析を行った。解析には①LC-MS/MSによる高特異性グルカゴン濃度測定法、②グルコースクランプ法、③セルソーターを用いた単離α細胞の回収という3つの手法を用いることとした。
α細胞特異的Sirt1欠損マウスではα細胞量の有意な増加を認め、全膵臓中のグルカゴン含量も有意に増加していた。しかしながら空腹時、自由摂食時の血糖値および血中グルカゴン濃度は正常であった。糖負荷試験の結果もコントロールマウスと差が認められなかった。一方でインスリン負荷試験の結果、低血糖からの回復が遅延し、血中グルカゴン濃度はむしろ有意に減少し、α細胞量の増加と矛盾した結果を示した。そこでグルコースクランプ法を用いて低血糖を長期持続させたところ、低血糖誘導早期においてはSirt1欠損マウスで血中グルカゴン濃度が低下し内因性糖産生の抑制が見られ、後期においては血中グルカゴン濃度が上昇し内因性糖産生の促進が見られるという、早期と後期での逆転が見られた。
またα細胞培養株へのSirt1阻害薬の添加実験では、グルカゴン分泌の低下とUCP2発現の増加が見られた。
以上のことから、Sirt1はα細胞において細胞の分化・増殖を抑制する一方、UCP2の発現抑制を介して低血糖時のグルカゴン分泌を制御している可能性が示唆された。またSirt1欠損マウスはα細胞量の増加と低血糖時のグルカゴン分泌の障害という糖尿病で見られるグルカゴン分泌異常と合致した表現型を示した。糖毒性下でのSirt1の発現低下がグルカゴン分泌異常の原因の一つである可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画通りマウス表現型の解析をほぼ完了している。
一方、上記の概要に書いた「③セルソーターを用いた単離α細胞の回収」に関して、手法の確率に少々時間を要している。

今後の研究の推進方策

マウス表現型解析をほぼ完了し、メカニズム解明に向けた実験を進行中である。
解析は計画通り、③セルソーターを用いた単離α細胞の回収によってサンプルを得る。またセルソーターを用いた方法には細胞のダメージや回収効率の問題が懸念される。そこで現在は磁気ビーズを用いた細胞回収の手法も検討中である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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