研究課題/領域番号 |
22K08646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
村上 正憲 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (00740432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 内分泌学 / 高血圧学 / オミクス解析 / アルドステロン / 副腎腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
アルドステロン産生腺腫(APA)は難治性高血圧の原因の一つであり、その発症メカニズムを解明することは新規診断法や治療法の開発につながるため意義がある。これまで申請者はAPA組織を対象にしたオミクス解析に取り組み一定の成果を挙げてきた。今回、研究内容を発展させるために、腫瘍内不均一性を考慮した解析としてシングル核遺伝子発現解析に取り組む予定である。APA組織に特異的な核集団の抽出を行い、副腎皮質細胞の増殖に重要な役割のあるWNTシグナルに着目した解析を行うことでAPA発症メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
APA組織において、ステロイド合成酵素の免疫染色の結果から腫瘍内不均一性が予想されている。APAの発症メカニズムを理解する上で、腫瘍内の不均一性の評価は重要と考えられるため、single-nucleus RNA-seq解析(snRNA-seq)を施行した。昨年度までの予備検討からさらに症例を追加し、非機能性副腎腫瘍(NFA)2症例、KCNJ5変異を有するAPA3症例の計5症例の凍結腫瘍検体より核抽出を行い、TAS-Seq法を用いて単一核を対象にした網羅的遺伝子発現解析を実施した。NFA:7319個、APA:13476個の計20795個の核が解析でき、核集団は合計13個のクラスターに分かれた。NFAとAPAで共通する副腎皮質由来のクラスターが同定され、それらはCYP11B2の発現量が低くアルドステロン合成能の低い細胞集団であることが推定された。擬似時系列解析では、CYP11B2の発現上昇を反映した分化経路が推定された。核集団の分化度が上昇するにあたり、アルドステロン合成の上流で機能するHSD3B2やCYP21A2といったステロイド合成酵素遺伝子の発現量上昇も伴っていることが特徴だった。ステロイド合成酵素以外では、副腎皮質細胞の増殖に関与するWNTシグナル経路のCTNNB1遺伝子の発現上昇が確かめられたことが特徴であった。さらに擬似時系列解析ではAPA腫瘍内に想定される分化過程が2方向(fate1, fate2)に分岐することが分かり、fate 1ではリボソームや神経変性疾患に関連のある遺伝子の発現上昇が、fate2では解糖系に関連する遺伝子の発現上昇が特徴的であった。snRNA-seqにより、APAにおける腫瘍内不均一性を評価しえた。APAの腫瘍内不均一性は、腫瘍細胞がアルドステロン合成能を獲得していく分化経路を反映している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度より開始していた予備検討を元に、これまで例のないアルドステロン産生腺腫を対象にしたシングル核解析を進めることが出来、豊富なデータを得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
検体の取得が困難な、ホルモン異常のない患者から得られる正常副腎皮質組織を対象としたシングル核解析に着手する。WNT経路に着目しながら、副腎腺腫組織と正常副腎組織を隔てる分子生物学的な違いについて解析を行う。
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