研究課題/領域番号 |
22K08651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田浦 大輔 京都大学, 医学研究科, 講師 (10558612)
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研究分担者 |
曽根 正勝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40437207)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 副腎皮質細胞 / 副腎発生 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの研究室ではこれまで一貫してヒトES/iPS細胞からの血管細胞分化および副腎皮質細胞分化研究を実施してきた。 本研究課題では将来的な再生医療への応用を目指して、副腎髄質細胞分化誘導系との共培養および両側副腎を摘出した副腎皮質機能不全マウスへの細胞移植実験を実施し、より成熟した副腎皮質細胞への分化誘導に繋がる新規因子を探索する。また、副腎皮質細胞分化・血管細胞分化誘導過程の双方で、各種ホルモンおよびその受容体発現を解析し、ヒトにおける血管、副腎分化が内分泌学的にどのように制御されているかについて検討する。
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研究実績の概要 |
当該年度は研究計画に従い、ヒトiPS細胞からの副腎皮質細胞分化誘導研究において、副腎不全モデルマウスへの移植実験を実施した。副腎不全モデルマウス作製においては、マウスには副副腎が複数存在し、これらの摘出も必要であることから、福岡大学医学部 再生・移植医学講座との共同研究を開始し、副腎不全モデルマウスの作製に成功した。ヒトiPS細胞由来中間中胚葉細胞にSF-1をウイルスベクターにて導入した細胞、導入前の細胞、双方を腎被膜に移植し、細胞塊がどのように変化するかを観察するとともに、生存率、血清コルチコステロン濃度を測定した。今後さらに移植施行回数を増やし、解析結果をまとめる必要がある。 また、in vitroでの検証では、ヒトiPS細胞由来中間中胚葉細胞にSF-1を遺伝子導入することでどのような変化が生じているかをRNAseq解析にて確認した。SF-1導入にて変動した遺伝子の中で特に一つの遺伝子に着目し、この遺伝子に関して強制発現させるためのベクターも構築した。これまで、副腎皮質細胞分化およびステロイド合成においてマスター因子と考えられるSF-1を遺伝子導入することで分化誘導実験を行ってきたが、内因性にSF-1発現を上昇させる、SF-1非導入の分化誘導系についても検討を開始している。 ヒトiPS細胞からの血管細胞分化誘導研究に関しては、その派生研究として、ニコチン添加による血管細胞分化への影響の検討を行い、その後、ニコチン性アセチルコリン受容体が未分化状態のES/iPS細胞に発現していることから、未分化ES/iPS細胞へのニコチン添加の影響に関して検討し、この成果につき論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、ヒトiPS細胞からの副腎皮質細胞分化誘導研究をin vitroおよびマウスへの移植実験の双方で精力的に進めている。また、血管細胞分化誘導研究からの派生研究であるニコチン添加のヒトES/iPS細胞への影響に関しては論文化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、ヒトiPS細胞由来ステロイド産生細胞の、副腎不全モデルマウスへの移植実験を実施し、細胞の生着に関して一定の成果を観察できた。ただし、コントロールとしてH295R細胞を移植した際には常に細胞が移植した後も腎被膜にて増殖するのだが、ヒトiPS細胞由来細胞の場合は、常に細胞が生着・生存するとは限らず、移植プロトコルの見直し、さらには移植する細胞の状態に関して、更なる検討が必要であると考えている。 ヒトiPS細胞由来副腎皮質細胞分化誘導の更なる発展のためには、人為的にSF-1導入をすることなく副腎皮質細胞が誘導できるかという点に関して、更に検討が必要である。最近の既報および当研究室でこれまでに見出した治験を合わせ、誘導法の改良に取り組む必要がある。
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