研究課題/領域番号 |
22K08658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 叔史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90622598)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病 / 転写因子 / 膵β細胞 / 肝臓 / 膵α細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン分泌の低下や分泌されたインスリンが効きにくいこと(インスリン抵抗性)などが糖尿病発症の主たる原因と考えられるが、その分子メカニズムの多くは不明である。申請者は、インスリン分泌とインスリン感受性の両方の調節に関与しうる遺伝子としてANKS4Bを同定した。本研究では、β細胞、肝臓およびα細胞におけるANKS4Bの役割を明らかにすると共に、ANKS4Bが糖尿病の治療標的となりうる可能性について検討する。本課題遂行により、新たな糖代謝制御メカニズムの解明のみならず、糖尿病発症の病態生理学的な理解が進みANKS4Bを標的とした糖尿病治療の分子基盤に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
転写因子HNF1αは若年発症成人型糖尿病(MODY3)の原因遺伝子である。MODY3患者は主にインスリン分泌不全を呈するが、その他インスリン感受性亢進やグルカゴン分泌低下を認める。私共は、これらHNF1α欠損による表現型を理解しうる鍵因子ANKS4Bを同定した。本研究では、ANKS4Bのβ細胞、肝臓およびα細胞における役割を明らかにすると共に、ANKS4Bが糖尿病の治療標的となりうる可能性について検討する。本課題遂行により、ANKS4Bの新規糖代謝制御メカニズムの解明のみならず、糖尿病(MODY3)発症の病態生理学的な理解が進みANKS4Bを標的とした糖尿病治療の分子基盤に繋がることが期待される。 本研究では①β細胞、②肝臓、③α細胞におけるANKS4Bの機能を明らかにする。また④糖尿病時のこれらの臓器におけるANKS4Bの発現を検討するとともにANKS4Bが糖尿病の分子標的になるか検討を行う。①および②について、それぞれ特異的欠損マウスを作製し、in vivoにおいて種々の糖代謝実験を行い、インスリン分泌およびインスリン感受性の制御因子であることを確認した。また単離した初代培養細胞でもインスリン分泌およびインスリン感受性に対して同様の影響を確認したため、生体内でのみ認められる現象ではなく細胞自律的な現象であると考えられた。現在、肝細胞および膵β細胞の株化細胞を用いてAnks4bノックダ ウン細胞を作製しており、上記表現型を説明するANKS4Bの作用点の解析を行っている。またANKS4Bタンパク質との相互作用する分子を複数同定できており、詳細な機序解明に向かって進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目もおおよそ計画どおりに実験を遂行できた。主にβ細胞株であるMIN6および肝細胞株であるHepa1.6においてANKS4Bタンパク質の結合タンパク質の同定を行った。MIN6細胞においては候補因子1つ、Hepa1.6細胞においては候補遺伝子3つを見出した。現在、両タンパク質の相互作用の確認を行っており、おおよそ再現性の高いデータになってきている。ANKS4bと結合した遺伝子のノックダウン細胞および過剰発現細胞の作製に着手しており、初年度に見出したAnks4b欠損マウスの表現型を、これらタンパク質でどの程度説明できるかを今後検討する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はマウス実験と培養細胞実験で得られたデータの整合性を一つずつ確認していき、論文化に向けて体裁を整えていく。計画では膵α細胞におけるANKS4Bの機能に関しても検討課題としていたが、この2年間では膵β細胞と肝臓における役割について主にデータを集積し、論文化を目指してきた。膵α細胞の検討を加えることで、残りの2つの研究が中途半端になるよりは、この2点に集中して、最終年度で完結するように実験計画を組み直す方が良いと考えている。具体的には残りの1年で in vitroで膵β細胞および肝細胞におけるANKS4Bの作用点について明らかにする。In vivoにおいてその分子と表現型との関連性について再現実験を行い、表現型が説明できるか否かを介入実験や回復実験で検証す予定である。
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