研究課題/領域番号 |
22K08659
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
富樫 優 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10710444)
|
研究分担者 |
京原 麻由 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (20828545)
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40359609)
奥山 朋子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90806928)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 膵β細胞 / プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病の発症・進展に膵β細胞量の低下が深く関与している。 我々は、膵部分切除後の膵β細胞増殖がインスリン抵抗性を誘導する高脂肪食負荷モデルとは異なる経路を介することを報告した。遺伝子発現マイクロアレイでは膵切除後の膵島において、特に細胞周期のM期に関わる遺伝子群の発現が上昇することを見出したが、膵β細胞増殖を誘導するシグナルについては不明である。本研究の目的は、リン酸化プロテオミクス解析により、細胞シグナル伝達において主要な役割を果たす蛋白のリン酸化を網羅的に解析し、膵切除後の膵β細胞増殖機構を明らかにすることである。これにより2型糖尿病患者においても有効な膵β細胞増殖誘導法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
我々は膵部分切除またはSham手術後3日目に単離したマウス膵島のリン酸化プロテオーム解析に加え、定量的プロテオーム解析を行い、膵切除により有意に発現変化する蛋白群を同定した。定量的プロテオーム解析データをIngenuity pathway analysis (IPA) softwareを用いてパスウェイ解析を行ったところ、ストレス応答シグナルとして知られるEIF2シグナルの亢進とインスリン分泌シグナル経路の低下との有意な関連が認められ、β細胞量減少による小胞体ストレス応答やそれに伴うβ細胞機能障害を示唆している可能性が考えられた。機能解析においては、分子および細胞機能として、蛋白合成、細胞死・生存、細胞の恒常性維持に関する機能、細胞の成長および増殖、細胞の発生とも有意な関連を認めた。また、生理学的機能については、内分泌システムの発生・機能、神経システムの発生・機能と関連が示唆された。リン酸化プロテオームにおいて膵切除によりリン酸化が有意に変化した蛋白群について機能解析を行ったところ、分子および細胞機能として、細胞の組織化や細胞内構造の会合、細胞の恒常性維持に関する機能、細胞形態に関する機能などと有意な関連を認められた。生理学的機能については、生存に関する機能および、多数の発生に関する機能との関連が認められており、膵切除により抗アポトーシスやβ細胞新生のシグナルが変化し、β細胞量の調節に関与する可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定量的プロテオーム解析およびリン酸化プロテオーム解析により、膵切除後のβ細胞で変化する新たなシグナル候補が同定された。
|
今後の研究の推進方策 |
計画の推進にあたり大きな課題はないため、引き続き計画に基づき進めていく。
|