研究課題/領域番号 |
22K08663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
王 麗香 久留米大学, 医学部, 助教 (20748793)
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研究分担者 |
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリアダイナミクス / 代謝機能障害関連脂肪性肝炎 / 小胞体ストレス / 脂質代謝異常 / 酸化ストレス / 糖・脂質代謝変動 / 炎症 / ミトコンドリア分裂 / エネルギー代謝 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリア(Mt)は生体内で融合と分裂を繰り返しながらダイナミックに構造変化する。Mt の融合にはMfn1/2 ならびにOpa1、分裂にはDrp1が関与することが知られている。このMtダイナミクスは広範な生命現象の基盤であるが、Mt分裂の生理的意義は不明な点が多い。肝臓は全身の代謝制御の中心臓器であり、細菌やウイルス感染時には免疫反応を介して異物除去し、生体恒常性維持に重要な役割を果たしている。我々は肝細胞特異的Drp1欠損マウスの解析を行うことにより、Mt分裂を介したエネルギー代謝と自然免疫の制御メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
ミトコンドリアは生体内で融合と分裂を繰り返しながらダイナミックに構造変化する。ミトコンドリア融合分裂の中心的な調節因子であるDynamin related protein 1 (Drp1) は、肝機能に不可欠である。我々はこれまでに、ミトコンドリア分裂異常が肝代謝変動、小胞体ストレスの惹起、さらに、臓器間連関を介して個体のエネルギー代謝を制御し得ることを明らかにした。また、肝細胞特異的Drp1欠損マウス (Drp1LiKO) は、代謝機能障害関連脂肪性肝炎 (MASH) を発症することを確認した。本研究では、Drp1欠損がMASHを引き起こした分子メカニズムを詳細に解析し、ミトコンドリア分裂を介したエネルギー代謝と炎症発症の制御メカニズムを明らかにした。本研究により、生活習慣病のみならず感染症をも視野に入れた、ミトコンドリアダイナミクスを標的とする革新的医薬品開発のための新たな切り口の提案が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Drp1欠損が代謝機能障害関連脂肪性肝炎 (MASH)の発症を惹起した。ただし、Drp1欠損がMASHに誘発する直接的なメカニズムはまだ不明なままである。我々はまず肝細胞糖・脂質代謝変動がMASH発症における役割を解明するため、肝臓リピドミクスとメタボローム解析を行った。肝臓リピドミクス解析では、リン脂質や脂肪酸など生体内のリピドームを網羅的に解析する事で、Drp1欠損による脂質代謝変動を明らかにした。肝臓メタボローム解析においては、Drp1欠損で生じた糖・脂質代謝変動の全貌に迫った。また、マイクロアレイ解析により、Drp1LiKOマウス肝臓の脂質代謝関連遺伝子の発現異常を明らかにした。ミトコンドリアへ脂肪酸輸送の減少、および小胞体 (ER) の脂質輸送の増加はERストレス、炎症発症に関与すると考えられた。In vitro 初代培養肝細胞を用いた実験でも、ERの脂肪酸過剰曝露によって惹起したERストレスは肝臓の炎症発症に関与すると示した。したがって、Drp1欠損によって生じた脂質代謝異常は、MASHの病因に直接関連していると示唆された。 また、Drp1欠損はマイトファージの形成不全を引き起こし、ダメージを受けたミトコンドリアの除去が阻害され、結果として、ミトコンドリア酸活性酸素種の増加を引き起こした。酸化ストレスもMASHの病因に直接関わっていると示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
実験データをまとめ、論文仕上げに集中する。
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