研究課題/領域番号 |
22K08668
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 範雄 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50530169)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 長鎖脂肪酸 / 長鎖脂肪酸受容体 / 消化管ホルモン / 肥満 / インスリン抵抗性 / 調査脂肪酸受容体 / 脂肪酸受容体 / 腸管 / 耐糖能 / インスリン感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管に発現する長鎖脂肪酸を主なリガンドする脂肪酸受容体に着目し、腸管特異的欠損マウスを作製する。そして糖や脂肪の単回摂取後の消化管ホルモン分泌や栄養素の吸収、耐糖能を評価する。また長期高脂肪食負荷試験を行い、腸管に発現する脂肪酸受容体の肥満・インスリン抵抗性への影響を評価する。加えて、脂肪酸受容体を発現する細胞を用いて脂肪酸受容体シグナルを阻害あるいは活性化する栄養素や既存薬剤を同定し、その作用機序をin vitro、in vivoで明らかにする。
|
研究実績の概要 |
長鎖脂肪酸をリガンドとする受容体GPR120は、腸管内分泌細胞に加えて脂肪細胞やマクロファージに発現している。GPR120アゴニストあるいは全身性GPR120欠損マウスを用いた既報から、脂肪細胞やマクロファージにおけるGPR120シグナルは炎症反応を負に制御し、高脂肪食摂取下の肥満およびインスリン抵抗性を改善すると考えられている。しかし、腸管におけるGPR120の機能は不明であり、肥満およびインスリン抵抗性への関与は明らかになっていない。本研究では、腸管特異的GPR120欠損マウス(KO)を作製し、糖あるいは脂質の単回摂取時の消化管ホルモン分泌や、高脂肪食摂取下の肥満およびインスリン抵抗性に対する影響を検討した。KOマウスでは脂質摂取後のGIP分泌およびCCK作用を低下した。また高脂肪食負荷KOマウスでは、高脂肪食負荷野生型マウスと比較して、体重が軽度低下し、内臓脂肪量や肝臓内脂肪含有量が低下した。またインスリン感受性が高かった。KOの脂肪組織においてIL-6のサイトカイン発現が低下し、血中IL-6濃度も低下していた。脂肪組織や肝臓では、IL-6受容体によって制御される suppressor of cytokine signaling (SOCS)3の発現がKOマウスで低下していた。加えて、肝臓では脂肪合成に関わる遺伝子群の低下を認めた。以上から、腸管特異的なGPR120の欠損は脂肪組織におけるIL-6産生を抑制し、インスリン感受性の増加に寄与している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KOマウスの表現型解析は順調に終了した。
|
今後の研究の推進方策 |
KOマウスでは、軽度に肥満の改善し、脂肪肝とインスリン抵抗性は大きく改善した。今後は機序解明を予定している。
|