研究課題/領域番号 |
22K08685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 富山県薬事総合研究開発センター |
研究代表者 |
渡邉 康春 富山県薬事総合研究開発センター, その他部局等, 主任研究員 (80646307)
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研究分担者 |
今野 歩 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40509048)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炎症 / 肥満 / 視床下部 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、視床下部の炎症反応が、摂食抑制ホルモン(レプチン)のシグナルを障害し過食になることが、肥満のメカニズムの1つとして考えられている。 一方、我々は、自然免疫シグナルのアダプター分子STINGと自然免疫センサーToll様受容体のアダプター分子TRIFによるシグナル経路が、視床下部炎症に関与し、過食性肥満の主要な経路であることを見出した。そこで本研究では、STING-TRIFシグナル経路による視床下部炎症とレプチンシグナル障害機序を解析し、過食の新規分子メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
視床下部の炎症反応が、摂食抑制ホルモンであるレプチンのシグナルを障害し、過食になることが肥満の原因の1つであることがわかってきた。我々は、核酸センサーのアダプター分子Stimulator of interferon genes(STING)が、Toll様受容体3(TLR3)やTLR4のアダプター分子TIR-domain-containing adapter-inducing interferon-beta (TRIF) を介して視床下部炎症を誘導し、レプチンシグナルを障害して過食性肥満の発症に深く関与することを見出している。R4年度は、STING-TRIF経路による視床下部炎症の責任細胞を同定するため、TRIFとSTINGの共発現細胞を解析した。 In situ hybridization法により、TRIFが視床下部のミクログリアとアストロサイト、オリゴデンドロサイトに発現し、神経細胞には発現していないことがわかった。また、フローサイトメトリー法および共焦点レーザー顕微鏡の解析により、STINGはミクログリアに選択的に発現していることがわかった。マウス新生児大脳から誘導したミクログリアのSTING遺伝子の発現は、アストロサイトよりも24倍高く、上記結果とも一致した。さらに、高脂肪食を12週間摂餌させたマウスの視床下部においても、STINGはミクログリアに選択的に発現していることが分かった。 以上から、STING-TRIF経路による視床下部炎症の責任細胞として、ミクログリアが最有力候補として考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視床下部におけるSTINGとTRIFの発現細胞を同定することができた。また、STING-TRIF経路を活性化する自然免疫センサーとしてcGAS(cyclic GMP-AMP synthase)を想定しているが、cGAS欠損マウスの解析も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
①視床下部炎症とレプチンシグナル障害にcGASが関与するのか? STING-TRIF上流の自然免疫センサーとしてcGASを想定している。そこで、cGASが高脂肪食摂餌による視床下部炎症と摂食調節異常に関与するのか明らかにする。cGAS欠損マウスに高脂肪食を摂餌させ、STINGやTRIF欠損マウスと同様に、野生型マウスより体重増加の軽減や摂餌量の減少を測定する。さらに、視床下部炎症が軽減し、レプチンシグナルの障害が改善するのか明らかにする。 ②ミクログリア特異的STING欠損マウスの作出法の検討 血液脳関門を高効率に透過できるウイルスベクター(AV-PHP.B)を用いて、STING欠損マウスの作出法を構築する。 ③STING-TRIFシグナルによる視床下部炎症と摂食調節異常機序の解明 視床下部炎症に重要なSTING-TRIFシグナルの下流分子を同定するため、野生型マウスおよび遺伝子欠損マウス(STING, TRIF)に普通食または高脂肪食を摂餌させ、視床下部のタンパク質ならびにリン酸化タンパク質を網羅的に解析する。
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