研究課題/領域番号 |
22K08690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 歩 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10845225)
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研究分担者 |
今村 亮一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40456976)
阿部 豊文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90750894)
山中 和明 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10648017)
玉井 克人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (20236730)
新保 敬史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70780609)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | HMGB1 / 腎 / 線維化 / 慢性腎障害 / 再生誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
腎不全は腎の線維化を中心とした不可逆な臓器不全である。間葉系幹細胞移植が腎に対して保護的に作用することが注目されているが、その臨床応用においては幹細胞移植に伴う取り扱いの煩雑さが問題である。我々は骨髄間葉系幹細胞を血中さらに障害部位に動員させる物質を特定し、これを利用した再生誘導医薬を開発した。化学合成された薬剤を静脈へ注射するのみで骨髄間葉系幹細胞を障害された腎臓に集められることが予測されるため、煩雑な幹細胞移植を伴わずに腎再生医療を臨床に応用できる可能性がある。本研究では腎障害動物モデルに対する再生誘導医薬の効果に関して、病理学的評価、分子生物学的評価および次世代シーケンス解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、High mobility group box 1 (HMGB1)のうち骨髄間葉系細胞血中動員活性ドメインKOI2を含むペプチドを用いて間葉系幹細胞を腎へ誘導しすることにより腎障害を抑制しうるか、また同ペプチドの腎不全に対する臨床応用の可能性について検討している。本年度は既に作成方法を確立している雄性SDラットを用いた片側尿管閉塞モデルを腎線維化の例として、まずは2週間HMGB1ペプチドを既知のプロトコルに沿って投与するスケジュールで実験を行った。病理組織像等で腎線維化を観評価したが、ペプチド投与による有意な繊維化の抑制を認めなかった。個体ごとのデータのばらつきも存在したため、個体数を増やして再検を行ったが、治療効果を認めなかった。線維化の完成後のみではなく障害の早期も併せて観察する必要があると考えたため、急性腎障害の代表的なモデルである虚血再灌流障害モデルでも並行して投薬実験を行い、こちらは血清学的な評価を中心に観察したが、やはり治療効果を認めなかった。ここで肝線維化に対する投与実験の経過を参考とし、より長期間の投薬が有効である可能性が高いと判断し、慢性腎線維化に対するペプチド投与プロトコルの見直しを行い、実験予定とした。また、慢性モデルでの再検討と並行して、ペプチドの薬効を妨げる機序が存在するのか詳細に検討するためにシングルセル解析を用いた腎障害の評価を行った。ラットにおけるシングルセル解析の知見蓄積不足という背景を鑑みて、短期間で解析を開始できる急性腎不全モデルを先行して解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ペプチドの薬効は想定したレベルになく、一部の個体ではむしろ逆説的な結果となっているため。 また、急性腎障害に対しても同時に検討が必要であるという判断から異なる腎モデルに対する投薬実験や腎障害そのものの解析へ一時的に人的リソースを配分したため。 当初計画していた如く薬効確認のち機序解析といった方向ではなく、適切な投与スケジュールの検討を継続する必要がある。また、これと並行して想定されるペプチドの機序との関連で腎障害そのもののメカニズムについても解析を行う必要が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
同ペプチドの他臓器における研究経過も参考としつつ、引き続き適切な投与スケジュールを検討する。また、ペプチドの薬効が腎障害に対しても他臓器同様に期待しうるものなのか、相違点は何かといった観点で腎障害そのもののメカニズムについても解析を行う。
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