研究課題/領域番号 |
22K08698
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
澤井 利夫 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90351808)
|
研究分担者 |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30204580)
洲尾 昌伍 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40771019)
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 腸管サーファクタント / 胎仔 / 新生仔 / 壊死性腸炎 / 消化管サーファクタント / 新生児 / 病因 |
研究開始時の研究の概要 |
壊死性腸炎は、新生児、特に早期産児における重篤な疾患で致死率も高く、予防と治療が期待される。その原因は、腸の未熟性や腸管血流の障害、細菌感染が要因とされるが未だ明確では無い。腸管にも肺と同様にサーファクタントプロテインD(Sp-D)が存在し、胆嚢から分泌され胆汁とともに腸管内に排泄されている。しかしその働きは不明で、消化管サーファクタントが胎児期からどのように形成され、粘膜防御に関わっているかも判っていない。本研究は、胎児や新生児腸管におけるSp-Dの形成とその働きを明らかにし、壊死性腸炎の発症に対するSp-Dの関与について検討し、壊死性腸炎の新たな病態の解明や治療法の確立を目指すものである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は「胎児期から新生児期における腸管サーファクタントプロテインD(Sp-D)の形成を明らかにし、壊死性腸炎の発症について検討することで、腸管へのサーファクタント投与が壊死性腸炎の予防や治療に有効である可能性を研究する」ものである。その中で初年度は「胎児期や新生児期におけるSp-Dの形成を解明するために、マウス胎仔および 新生仔を用いて胎仔期から新生仔期に亘る腸管粘膜上に形成されるSp-Dの変化を検討する」ことを目的として研究を行った。本研究の根幹に関わるところである。 マウス胎仔および新生仔の十二指腸・胆嚢・胆管、小腸、大腸の標本を作製し,免疫染色を始めるに先だって、確実にSp-Dの分布がある肺(マウス)の標本作製を行った。これは今後の免疫染色時にはpositive controlとなる。肺の薄切標本に対して免疫染色を行った。この免疫染色において文献を元に条件を決めて行ったが、全体が染まってしまったり、全く染まらなかったり、まだらになってしまったりと手技の問題があるのか染色に至っていない。 研究が少しでも進むように10日から20日まで2日毎に取り出して儀死させた胎仔全体の標本や新生仔についても日齢0から10まで2日毎の標本の作製にとりかかっている。この際には腸管内容物も腸管とともにそのままに標本とした。 また、これとは別に同時期の腸管内容物(胎便と粘液)を胆嚢、十二指腸、小腸上部、中部、下部とで採取し、冷凍保存も合わせて進めようとしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
以前経験があったため、開始したら容易に免疫染色ができると思っていたものができないで停滞してしまった。前の免疫染色の経験から相当な年数を経ていたこともその原因の一つと推測する。また、臨床および教育も同時に携わっており、臨床については緊急手術も含めた対応が必要で、予定していた研究の中断も発生し、予定通りには進捗しなかった。また十分な時間を割くこともできなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
まずは免疫染色を安定して成功させることを目指す。そのために免疫染色を最近経験している他の研究員にも協力を呼びかけて手技や条件を確認し、初年度の計画にあり、かつ、この研究の大前提となる腸管サーファクタントプロテインDの存在とその分布を明らかにする。遅れを取り戻すために胎仔および新生仔の標本作製も平行して進めていく。胆嚢や胆管および腸管の内容物の採取も進め、時間配分にも注意し、研究分担者とも協力して本研究への取り組み時間を増やし、遅れている状態を改善するために、次年度の予定となっているマウスの壊性腸炎モデル作成にもとりかかります。そして、壊死性腸炎モデルの確立を確認でき次第、その壊死性腸炎モデルにおける腸管内容物を含めた腸管の採取および腸管内容物の採取により、初年度と同様にSp-Dの免疫染色と腸管内容物の濃度測定を壊死性腸炎モデルに対しても進めていく。
|