研究課題/領域番号 |
22K08702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
磯山 隆 杏林大学, 保健学部, 教授 (20302789)
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研究分担者 |
渡辺 篤志 杏林大学, 保健学部, 講師 (00365214)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ECMO / 肺移植 / 在宅待機 / 新型コロナウイルス / 後遺症 / ウェアラブルコントローラ / 駆動制御 / 血栓予防 / METs / ウェアラブル / 新型コロナウィルス / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、感染蔓延当初には治療薬もワクチンもない状態であり全世界が危機的状況にあった。間質性肺炎で重症化すると死亡率も高く、回復しても肺の線維化により肺移植を必要とする状況の患者も現れた。 本研究の目的は、新型コロナウイルス後遺症患者が長期間の在宅移植待機を可能とするウェアラブルECMOを開発することであり、医師をはじめ看護師・救急救命士等の意見を取り入れながら改良研究を進める。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症による間質性肺炎などにより後遺症となり肺移植を必要とする状況が起こりうる我が国において、平均約3年という長期間の移植待機期間の患者を支えるための在宅移植待機を可能とするウェアラブルECMOを開発することを本研究の最終目的としている。 本年度は在宅移植待機が可能となるECMOのカニュレーション様式に注目することとした。ECMOには主としてVV-ECMO、VA-ECMO、セントラルECMOの3種類のカニュレーション方法があるが、患者の生体肺を補助することに特化したセントラルECMOは、カニューレ刺入部が患者の胸腹部にあるため感染対策などの在宅管理面からも有利であると考えられる。セントラルECMO形式であるPA-LAモデルは肺動脈脱血、左心房送血により、人工肺を生体肺と並列に接続することで生体肺で不足するガス交換能を人工肺で補うECMOであり本研究に適したカニュレーション形式と判断した。 一方、動物モデルで実施したPA-LAモデルでのECMO実験においては、並列接続したECMOへの流量配分が十分でなく低流量状態をきたす状況が発生することも判明した。実験に用いたECMOは想定よりも低流量状態となり回路内部に血栓形成を生じたため緊急に回路交換を実施した。 血栓形成を生じたECMOの血液ポンプと人工肺をX線CTで撮像したところ、血液ポンプの裏面、インペラー内部、人工肺内部に血栓が確認できた。生体の血流を分配するPA-LAモデルにおいては、ECMOの血流配分が不足することを想定した人工肺の選択やコントローラによる制御方法が重要であることが確かめられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度導入したACT測定装置を用いて動物モデルでのECMO実験に寄与することができた。血流配分が不足する状況もあり得ることが判明したため、次年度はウェアラブルコントローラの制御アルゴリズムに生かすこととする。 昨年度検討した電動車椅子によるMETs低減と患者モビリティーの向上の成果を第52回人工心臓と補助循環懇話会学術集会におけるパネルディスカッションで報告した。
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今後の研究の推進方策 |
在宅待機に適するPA-LAモデルにおける課題である生体肺と人工肺の血流配分を最適化するため、ウェアラブルコントローラのアルゴリズム設計と必要な生体情報モニタ手法の検討と実装を推進する。具体的には想定される患者の血中酸素飽和濃度をリアルタイムで計測するデバイスを導入し、コントローラの完成を目指す。
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