研究課題/領域番号 |
22K08709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多根井 智紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80771518)
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研究分担者 |
盛本 浩二 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (00599996)
瀬尾 茂人 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30432462)
PRADIPTA AMBARA 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90631648)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳癌 / 術中迅速診断 / アクロレイン / 生細胞 / 乳腺切除断端 / 乳房温存手術 / Artificial Intelligence |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌手術の切除断端に対して生組織を用いて正確で短時間・簡便に術中迅速診断を行う測定方法を開発する。癌細胞などの酸化ストレスの多い細胞において高発現するアクロレインを用いたアジドプローブ染色(CTS)法により、乳腺生組織や、その癌細胞を選択的に蛍光標識できる。手術中に乳癌の乳腺切除断端の術中迅速診断の提出と同時に、同組織片に対してCTS法による捺印スライドを採取し、捺印細胞に対するCTS法の画像診断を行う多施設共同臨床試験を施行する。CTS法の断端診断は病理診断結果(術中、術後診断)と比較した正診率および特異度を解析する。また蛍光画像をAIを用いて機械学習で解析する画像診断システムの構築を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳癌手術の切除断端に対して、生組織を用いて手術室内にて正確で短時間・簡便に術中迅速診断を行う測定方法を開発することである。我々はこれまでの研究で癌細胞などの酸化ストレスの多い細胞において高発現するアクロレインを用いたアジドプローブの染色(Click-to-sense(CTS))法により、乳腺生組織や、その捺印スライド中の癌細胞を選択的に蛍光標識できることを見いだした。本測定法は、病理組織診断と同等程度の微小サイズの検出や明確な癌の形態や局在を評価することが約10分という短時間で可能である。今回の研究において我々は手術中に乳癌の乳腺切除断端の術中迅速診断(各方向の断端乳腺組織)の提出と同時に、同組織片に対してCTS法による捺印スライドを採取し、捺印細胞に対するCTS法の画像診断を行うかたちで多施設共同による臨床試験を施行する。また、CTS法による断端診断については、実臨床にて施行される病理診断結果(術中・術後診断)と比較した正診率および特異度を解析する。また、CTS法の蛍光画像に対してAI(Artificial Intelligence)を用いて機械学習(Deep Learning)で解析することで精度の高い画像診断システムの構築を行う。CTS法による術中迅速診断が実用化できれば、手術中に手術室内で切除断端を診断することが可能であり、非常に有用な手術中の診断ツールとして活用できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況としては、我々は微小な乳癌病巣について確認する為に、乳癌の乳房全摘術の標本(n=63)を対象とし、腫瘍縁より1~2cm程度離れた所から(近傍)乳腺組織片(n=126)を採取し(乳房温存手術における切除断端のシミュレーション)、本測定を行ったところ、凍結病理組織診と同等の、高い正診率を確認し、微小病変にも有用であることを、論文発表している(Eur J Surg Oncol. 2022 Jul;48(7):1520-1526.)。また、2022年より大阪大学医学部附属病院、大阪国際がんセンター、大阪警察病院による乳腺切除断端に対する多施設臨床試験(永久病理診断に対するCTS法の診断と術中迅速診断の比較)を開始している。また、多施設臨床試験の本研究の開始について日本乳癌総会学会2022年にて報告している。現在、多施設臨床試験のPilot試験を繰り返しながら、試料作成方法や撮影方法の改善を行っている。現在、複数回のPilot試験によりCTS法の診断精度は向上しており、2022年12月にPMDAの全般相談1回目の結果を受けて今後の臨床性能試験の為の準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、大阪大学医学部附属病院、大阪国際がんセンター、大阪警察病院にてCTS法を用いて、実臨床で行われている凍結切片での迅速組織診断に対する非劣性を検証する多施設共同臨床試験の初期段階P群((Pilot study)症例数:30症例)を研究計画・運用方法が適切であるか、染色や捺印スライドの採取方法・手技、搬送などの処理に修正・改善を行いながら繰り返し行う。研究の達成度の判断基準としては、P群におけるCTS法の診断判定可能率や正診率・特異度を確認して、最適な運用方法、染色や捺印スライドの採取方法・手技、搬送などの処理方法を確立する。また、PMDAの全般相談の結果を受けて、臨床性能試験実施に向けての全体計画の作成を行い、2023年にPMDA対面助言を実施する。さらに2023年度内にはPMDA対面助言を受けてCTS法の試作品試薬を用いた臨床性能試験の臨床試験を開始する為の準備を行っていく。大阪大学未来医療センターにて、CTS法の多施設共同試験におけるARO(臨床統計解析/生物統計解析)、CTS法の多施設共同試験における規制対応戦略・臨床性能評価計画の立案などを実施する。一方、シスメックス社・理化学研究所を中心に試薬試作品の生産の準備、短期安定性(評価)を行う。付随研究として、大阪大学情報科学研究科では、撮影された蛍光画像写真は逐次供与され、AIのDeep Learningよる精度の高い画像診断システムのアルゴリズムの構築を行う。
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