研究課題/領域番号 |
22K08744
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
元木 佑典 関西医科大学, 医学部, 助教 (80829276)
|
研究分担者 |
滝澤 奈恵 関西医科大学, 医学部, 講師 (50548641)
吉田 崇 関西医科大学, 医学部, 助教 (00714966)
松浦 徹 関西医科大学, 医学部, 講師 (60415297)
木下 秀文 関西医科大学, 医学部, 教授 (30324635)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 副腎皮質 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
両側副腎摘除術後の患者は、生涯の副腎皮質ステロイド補充療法を必要とし、常時副腎不全による死のリスクを背負うこととなる(後天性副腎皮質機能不全症)。過去に副腎摘除時に副腎正常組織のみを自家移植し、副腎皮質の機能を温存する試みが行われていたが、生着率は極めて低く臨床応用には至っていない。生着率が低い要因として、ホルモン補充に伴う副腎皮質刺激ホルモンの分泌抑制が大きな要因として挙げられる。申請者らはその打開策として、本研究では、再生医療による後天性副腎皮質機能不全症の治療法の開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
昨年度より引き続き、副腎腫瘍に対して副腎切除術を施行した患者の病理学的診断に不要な余剰正常副腎皮質を使用しヒト副腎皮質由来オルガノイドを作成し研究に供した。 作成したオルガノイドを使用シングルセルRNAシークエンス、holotomography microscope、免疫染色(IHC)による解析等を実施。解析にはヒト正常副腎皮質、ヒト正常副腎皮質から作成したオルガノイド(AGO: Patient derived AG organoids)、ヒト副腎皮質オルガノイドを一旦マウス腎被膜下に移植し、そこで再生したオルガノイドから作成したオルガノイド(mAGO: Patient derived AG organoids recovered from mouse kidney)を使用した。 いずれの解析の結果においてもオルガノイドからコルチゾ-ル産生に関わるCYP11B1、アルドステロン産生に関わるCYP11B2遺伝子の発現を認め、ラット副腎皮質自家移植片の再生過程で発現上昇が報告されているDesert hedgehog(DHH)については、正常副腎皮質と比し、AGO、mAGOでの発現上昇を認めた。同じく幹細胞マーカとして知られるNestinの発現についてもAGO、mAGOいずれにおいても確認された。holotomography microscopeではオルガノイド細胞質内にステロイドを蓄えていると思われる小胞が豊富に存在することが確認された。以上のように、作成したオルガノイドは正常副腎皮質で認められる特徴を有する一方、副腎髄質マーカであるTyrosine hydroxylaseの発現を調べたが、発現はほぼ認めず、髄質は再生していない可能性が示唆された。 空間トランスクリプトーム解析をもちいてヒト正常副腎皮質、AGO、mAGOについて解析した。過去にマウス副腎皮質の解析において副腎皮質幹細胞マーカーとして報告があるRSPO3、SHHについてはAGO、mAGOでの発現はほとんど認めなかった。このほか、シングルセルRNAシークエンスの解析結果と異なる所見があり、今後解析結果について検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進行しており、順調と考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の課題として、ヒト副腎皮質由来オルガノイドより分泌されているステロイドを質量顕微鏡を用いた解析のほか、ACTHに対するヒトとマウスの感受性が異なることから、マウス副腎皮質由来オルガノイドを用いた自家移植による副腎皮質ホルモン産生について解析する。
|