研究課題/領域番号 |
22K08753
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高須 千絵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (70582823)
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研究分担者 |
齋藤 裕 徳島大学, 病院, 講師 (50548675)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | TME / 癌微小環境 / レンバチニブ / Nrf2 / TAM-cancer / 肝癌薬剤耐性機序 / 肝細胞癌 / HCC |
研究開始時の研究の概要 |
我々は転写因子Nuclear Factor(erythroid-derived 2)-Like 2 (Nrf2)が、TMEを介して肝胆膵癌の悪性度獲得に寄与することを発見した。HCCの薬剤耐性獲得に関しても、腫瘍微小環境を介したNrf2依存が重要な役割を果たしていると考え、Nrf2をTAM-cancer cellクロストークの基軸とし、HCCにおける薬剤耐性獲得の機序を解明することを本研究の目的とした。
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研究実績の概要 |
1) 薬剤耐性肝癌・膵癌細胞株におけるNrf2の役割の解明 1.レンバチニブ耐性肝癌細胞株の確立と特性の確認:肝癌細胞株(PLC, Huh7)を使用。レンバチニブを含む培地で培養し、濃度を徐々に上昇させることにより耐性株を樹立し、耐性株で親株に比し耐性、悪性度が増大している事を確認した。2.Nrf2ノックダウンによる細胞株の特性の変化に関する検討:耐性株が獲得した特性において、Nrf2 pathwayの影響を検討するために、Si-RNAによりNrf2をノックダウンした耐性株を用いて、上記耐性・悪性度上昇がキャンセルされる事を確認すた。3.レンバチニブ耐性肝癌細胞株におけるmiRNA発現に関する検討:薬剤耐性肝癌細胞株(PLC, Huh7)で24hr培養によるCancer condition medium(Cancer-CM)から市販のエクソソーム回収kitを用いてmicroRNAを抽出し、Nrf2に関連するmicroRNA-Xを同定した。 2) 薬剤耐性細胞株由来microRNA-XにおけるNrf2 pathwayの検討 薬剤耐性肝癌細胞株(PLC, Huh7)で24hr培養によるCancer condition medium(Cancer-CM)を作成し、肝癌細胞株を作成し、耐性度・悪性度の特性につき下記検討を行い、recipient側でも耐性と悪性度が上昇している事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初TAM-cancer cell interactionにつき検討を進める予定であったが、耐性株から直接recipient癌細胞への性質伝播を認めたため、そちらについての機序解明を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1) 薬剤耐性細胞株由来TAMにおけるNrf2 pathwayの検討: 薬剤耐性肝癌細胞株(HepG2, Huh7)で24hr培養によるCancer condition medium(Cancer-CM)を作成し、分離マクロファージ(もしくは単球細胞株THP-1から)TAMを作成する。耐性株由由来TAMと親株由来TAMにおける特性変化を検討する。 2) 薬剤耐性細胞株由来TAMによる腫瘍増殖能・遊走能獲得の検討: 肝癌細胞株(HepG2, Huh7)と薬剤耐性細胞株由来のTAM(1×105個)を共培養し、親株由来のTAMと共培養した場合と腫瘍悪性度や治療抵抗性を比較検討する。 3) Target microRNAによるTAM-cancer cell interactionと耐性の検討(令和6年) 実験1)、2)で同定したTAM-cancer cell interactionを担うmicro-RNAのsilencingと増強による、腫瘍悪性度と治療抵抗性を検討する。 4) 耐性株由来TAM移植によるin vivoにおける検討: 2)で作成した耐性株由来CAFを肝癌細胞株とともに4~5週齢Balb/cヌードマウス背部に皮下注射し異所性モデルを作成。4週間後にsacrificeし、癌進展・転移促進の検討を行い、癌細胞のみを皮下注射した群と比較する。また、ソラフェニブ、レンバチニブ投与による治療抵抗性についても比較検討する。
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