研究課題/領域番号 |
22K08755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丸屋 安広 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20817085)
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研究分担者 |
池田 裕明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40374673)
東 美樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 特任研究員 (40814504)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 筋芽細胞シート / 十二指腸ESD後穿孔 / 再生医療等製品 / ユニバーサル骨格筋芽細胞シート / 免疫原性 / 骨格筋芽細胞 / 他家移植 / 再生医療 / セルバンキング / 免疫回避 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、骨格筋芽細胞のMHC発現を抑制し、非自己の筋芽細胞を利用可能とする技術開発を目的とする。自家細胞を使用する場合、骨格筋の採取が必要で、2か月程度の待機期間が課題となり、患者の負担が大きい。MHC発現を抑制することで、消化器外科領域における再生医療に非自己の筋芽細胞を応用し、治療の効率化と患者負担の軽減を目指す。
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研究実績の概要 |
【背景/目的】 我々はこれまで消化器外科領域への骨格筋芽細胞シートを用いた研究を基礎研究から臨床応用に至るまで進めてきた。ブタ十二指腸ESDモデルを確立(DigestiveEndosco,2020)、更に上記モデルを用いて自家筋芽細胞シートが十二指腸ESD術後穿孔を予防することを報告した(Cell Transplant, 2020)。また細胞シートを腹腔内に腹腔鏡で移植するためのデバイスの開発を行ってきた(Surg Endsco, 2021)。これらの知見を基盤として、表在性非乳頭部十二指腸腫瘍を対象に「ESD及び腹腔鏡下自家骨格筋芽細胞シート移植」による再生医療の探索的な医師主導治験を2021年4月~2023年3月まで3例実施した。しかしながら自家細胞を用いる再生医療を消化器外科領域に応用する場合、細胞ソース採取から培養までの準備期間を考慮すると対象疾患を悪性度が低い腫瘍に限定され汎用性が低いという問題点がある。この問題を解決するために、免疫拒絶のリスクを低減できる他家筋芽細胞シート移植にの技術開発を行う。 【骨格筋芽細胞の免疫原性ならびに免疫寛容試験】 市販のヒト骨格筋由来筋芽細胞株を用いて、免疫原性に関与する表面抗原の発現を調べた。また、MHCクラスI分子の構成要素であるβ2-ミクログロブリンのノックダウンやヒト末梢血由来CD8+細胞との共培養による増殖刺激試験を行い、CD8+細胞の分裂回数や分泌されたIFN-γの濃度を測定し、免疫原性や免疫寛容に関する解析を試みた。これらの実験によりヒト骨格筋由来筋芽細胞はヒト線維芽細胞に比べ細胞性免疫への刺激が低い可能性が示唆される結果を得た。なおノックダウン後にヒト骨格筋由来筋芽細胞の増殖能の低下がみられたためプロトコールの改変や結果の再現性に関し、更なる研究が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
骨格筋由来細胞シートの原料を自己から同種(他家)へ移行することへの検討に関し、主に以下において専門家や規制当局(PMDA)へ相談を行いながら研究を進めている。今年度の研究実績として骨格筋芽細胞は線維芽細胞に比較して細胞性免疫への刺激が低い可能性が示唆された。しかしながらユニバーサル骨格筋芽細胞のセルバンク化の構築までは実行できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はPMDA相談を行いながら他家細胞への切り替えに関し、免疫抑制剤の使用などの医学的な選択肢の整理、使用する筋芽細胞の特性をさらに進め、細胞バンク化の準備を進める。
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