研究課題/領域番号 |
22K08758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鳥飼 源史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00535635)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
連 利博 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20140444)
山田 和歌 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20457659)
矢野 圭輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (30757919)
村上 雅一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (40825361)
加治 建 久留米大学, 医学部, 教授 (50315420)
杉田 光士郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (50781514)
武藤 充 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70404522)
春松 敏夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70614642)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80528042)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 母親由来キメラ細胞 / 原因論 / GvHDモデルマウス / Maternal microchimerism / 混合リンパ球試験 / 自己肝生存率 / GvHD |
研究開始時の研究の概要 |
GvHD-胆管炎モデルマウスを用いてGvHDと胆管炎との関連を明らかにし、BA患児の自己肝生存率の改善に考慮した術後管理方法、さらには早期診断および治療介入方法の開発が重要で、自己肝生存率の向上を目的とした、肝移植に依存しない新たな治療法を確立する必要があると考えた。本研究はこれまでの当科におけるMaternalmicrochimerismにより生じるGvHD論に基づいたBAの研究を礎とし、世界的にも未だ報告のないGvHD-胆管炎モデルマウスを新規開発し、GvHDを背景とした胆管炎の発症メカニズムを免疫学的に評価し、胆管炎の有無による免疫と寛容のバランスを検索することでBAに生じる胆管炎の病態を解明する。
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研究実績の概要 |
今回使用予定のGvHDモデルマウスは、MHCは一致しているがマイナー抗原が異なるBALB/Cマウスをhost、B10D2マウスをgraftとして作成する。そしてGraftを脾臓および骨髄細胞とし、Graftを腹腔からと門脈から注入する2群で免疫反応の広がりを比較検討する。つまり、B10D2マウスの骨髄細胞を門脈に注入することで、妊娠中に臍帯静脈から母親細胞が最初に肝臓を通過するモデルとなり、肝GvHDが強く生じるかを分析することが目的である。現在、生後6か月まで、月に一度の体重測定、体毛の状態、下痢などの消化管症状、全身状態の観察および6か月後に犠死せしめ肝臓と胆汁、血液検体を摘出し、検体情報の収集が終了している。また、これらの検体を採取し、肝臓と胆汁、血液検体における、病理組織学的検索および炎症マーカーについての結果がそろい、評価を行っている。 病理組織学的検索および炎症マーカーの評価として、血中、胆汁中のIL-6およびIL-2の測定を行っている。肝組織のCD8+,Treg,CXCL9、IL-6, IL-2の免疫染色については、腸粘膜組織は検体も十分に採取でき、染色できているが、胸腺組織および皮膚については、組織採取を終え、免疫染色の結果待ちの状態である。 また、血中のCD25+リンパ球除去の有無でのB10D2とBALB/Cマウス間のリンパ球混合試験での反応の差異については、血中のCD25+リンパ球を除去しない状況でのB10D2とBALB/Cマウス間のリンパ球混合試験の実験準備をしている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回使用予定のGvHDモデルマウスは、MHCは一致しているがマイナー抗原が異なるBALB/Cマウスをhost、B10D2マウスをgraftとして作成する。今回はGraftを脾臓および骨髄細胞とし、Graftを腹腔からと門脈から注入する2群で免疫反応の広がりを比較検討する。研究は以下の手順で行っている。①新生児マウスを麻酔下に開腹し、B10D2マウスの骨髄細胞(Graft)を腹腔内または門脈に注入し閉腹する。②これらを腹腔投与群と門脈投与群の2群にわけ、③生後6か月まで、月に一度の体重測定、体毛の状態、下痢などの消化管症状、全身状態の観察および6か月生存した場合は犠死せしめ肝臓と胆汁、血液検体を摘出する。現在これらの検体を採取し、肝臓と胆汁、血液検体における、病理組織学的検索および炎症マーカーの評価を行っている状況である。 2023年上半期は、施設内の動物実験施設の改修工事に伴い、研究ができない時期が半年ほど生じてしまったが、2023年度からは研究を再開することができているが、やや遅れが生じている。さらに、血中のCD25+リンパ球除去の有無でのB10D2とBALB/Cマウス間のリンパ球混合試験については、リンパ球の除去がうまくできておらず、その原因究明を行っている。混合リンパ球試験の結果については、フローサイトメトリーを使用するが、こちらの準備は2023年度に行い、順調に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在行っている肝GvHDモデルマウスの作成について、検体数を増やし免疫学的評価において統計学的評価を行う。その後、B10D2マウスのGraft(脾臓・骨髄細胞)を前もってhost細胞で感作させた場合と、感作させていない場合とで、肝GvHDに程度の差がでるかについて、これまでと同様の方法(host細胞で感作させたGraftを腹腔内または門脈に注入し評価検討)で行い検索を進める予定である。血中のCD25+リンパ球除去の有無でのB10D2とBALB/Cマウス間のリンパ球混合試験については、リンパ球の除去がうまくいかない原因が分かり次第、研究を継続する予定である。
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