研究課題/領域番号 |
22K08777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白羽根 健吾 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10529803)
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研究分担者 |
森山 大樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70586859)
田村 公二 九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / 腫瘍免疫微小環境 / オルガノイド (organoid) / 不均一性 / 癌関連線維芽細胞 (CAF) / 腫瘍微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / phenotype / organoid |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、患者由来の膵癌細胞から樹立したオルガノイドを特定のphenotypeに分ける独自の手法を用いてin vivoで膵癌細胞のphenotypeごとに誘導される腫瘍微小環境の再現を行うことで、各種免疫細胞(CD8/CD4 T細胞、DC、NK、Treg、MDSC)や癌関連線維芽細胞(CAF)を機能的な側面から解析し、その不均一性を解明することを第一の目的とする。さらにそれに応じた免疫治療を選択し、その有効性の検討を行う。これにより、治療抵抗性が高い膵癌においてphenotypeに応じた患者群ごとに、適切な個別化免疫治療を提供できる可能性につながるものと期待している。
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研究実績の概要 |
膵癌は予後不良な疾患であり、その特徴の一つに、高度な不均一性と免疫抑制状態があり、その病態解明は社会的要求度・貢献度・緊急性が高い。本研究では、膵癌の免疫微小環境の不均一性の解明とその応用を目的として、昨年度、KPCマウス由来膵オルガノイド(KPC derived organoid: KDO)を、近交系実験用マウスに同所移植して得られた腫瘍の免疫微小環境を評価した。得られた免疫微小環境は、我々の過去に行ったphenotype分類と一致しなかったため、今年度では一般的な免疫微小環境サブタイプ分類(Hegde, 2020, Immunity)を行い、樹状細胞や癌関連繊維芽細胞(CAF)の関連を評価した。その結果、Immune desert(抑制性免疫微小環境)では樹状細胞が少なく、Immune excluded(腫瘍間質や辺縁にのみ免疫細胞浸潤あり)では辺縁に特徴的なCAFが存在する可能性が示唆された。このCAFの特徴を明らかにすることを目的とし、シングルセルRNA解析技術を用いた網羅的解析を行った。しかしながら、Immune excludedに特異的なCAFの同定には至らなかった。このためシングルセルRNA解析で他癌種サンプルを用いて免疫細胞の機能評価を行い、CD8陽性T細胞のうちCD28、CD226、CD103発現が高いサブグループと免疫細胞浸潤のあるInfiltrationとの間に関係がある可能性が示唆された。次に免疫微小環境サブタイプごとの癌細胞の特徴を検索することとし、癌細胞ごとのRNA sequencingを行った。現在その詳細を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シングルセルRNA解析で免疫微小環境ごとの免疫細胞やCAFの詳細や相互作用の検討に難渋し、個々の免疫微小環境を生じるターゲットの同定ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、免疫微小環境サブタイプごとのマウスKDOの特徴をRNA sequencingで検討することや、空間的解析技術を併用することで、ターゲットを同定する。次に同定したターゲットに対する、個別癌免疫微小環境改変モデル(in vitro, in vivo)の作成および既存治療への反応性評価を行いたい。
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