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新規チロシンキナーゼ受容体による膵癌の薬剤治療抵抗性メカニズムの解明と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K08802
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

山本 学  鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40720024)

研究分担者 原 和志  鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (10812886)
堀越 洋輔  鳥取大学, 医学部, 講師 (60448678)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード膵癌 / Tyro3 / オートファジー / チロシンキナーゼ受容体 / 薬剤治療抵抗性 / TYRO3 / 免疫チェックポイント阻害薬
研究開始時の研究の概要

膵癌は極めて予後不良である。その一因として薬剤治療抵抗性を示すことが挙げられる。申請者は、チロシンキナーゼ受容体であるTyro3がタンパク分解の一型であるオートファジーを制御することで化学療法抵抗性及び免疫チェックポイント阻害薬治療抵抗性を惹起する可能性を見出した。オートファジーはMHC class-I分子を分解することで免疫逃避を導くことが近年報告されたが、本研究課題においてはTyro3がその上流を制御するものと想定している。
本研究課題は「Tyro3によるオートファジーを介した薬剤治療抵抗性の分子病態を明らかにし、臨床応用に繋がる膵癌の新規治療薬開発の基盤を確立すること」を目的とする。

研究実績の概要

本研究課題の目的は「Tyro3によるオートファジーを介した薬剤治療抵抗性の分子病態を明らかにし、臨床応用に繋がる膵癌の新規治療薬開発の基盤を確立すること」である。
膵癌は代表的な難治癌の1つであり、極めて予後不良である。その一因として化学療法や免疫チェックポイント阻害薬への治療抵抗性を示すことが挙げられる。
本研究に先立ち、申請者はチロシンキナーゼ受容体であるTyro3がタンパク分解の一型であるオートファジーを制御することで、これらの薬剤治療抵抗性を惹起する可能性を見出している。チロシンキナーゼ受容体を標的とした治療は多くの癌腫で臨床応用され有望な治療成績を収めているため、上述した分子機構が明らかになれば、Tyro3が膵癌に対する新たな治療標的分子となる可能性がある。
令和5年度はTyro3が薬剤治療(化学療法およびICI)抵抗性を獲得する機構とオートファジーとの関連について検討を行った。
まず予備実験でTyro3を過剰発現させた膵癌細胞で細胞表面に存在するMHC-classⅠ分子の発現の増加が共焦点顕微鏡で確認できていたため、Westerb blottingで定量化を試みたが、Tyro3過剰発現、あるいはSiRNAを用いたTyro3発現抑制いずれにおいてもMHC-classⅠ分子の一定した増減は認めなかった。MHC-classⅠは細胞表面に存在するため、膜分画を抽出し、同様にWesterb blottingを行ったが、有意な変化を認めなかった。
Tyro3とオートファジーの関連についてはTyro3を発現操作することでLC3のmRNAレベルが変化する可能性を見出しており、Tyro3によるオートファジー制御機構が存在する可能性があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の該当年度における実験計画は、(1)Tyro3とMHC-Ⅰ発現解析、(2)Tyro3とオートファジーの解析を行うことであった。(1)については前述のとおり、Westerb blottingでの定量を試みたが、Tyro3と関連するMHC-classⅠの変化は認めなかった。MHC-classⅠの存在する膜分画を抽出し同様に検討してみたが、やはり関連は認めなかった。(2)についてはWesterb blottingでTyro3とオートファジー関連タンパクとの間に有意な相関は認めなかったが、リアルタイムPCRでTyro3とLC3との相関を認めたため、こちらに関してさらに解析を続けていく予定である。

今後の研究の推進方策

Tyro3とMHC-classⅠ分子を介したICI治療抵抗性については想定していた基礎実験でのデータが得られず、方針を変更する必要がある。まずは基礎実験で結果の得られているTyro3と化学療法抵抗性やオートファジーの関連について優先的に実験を進めていく。
実験の計画は以下の通りである。

(1)Tyro3を過剰発現・発現抑制し、形成されるオートファゴソーム数の変化を共焦点顕微鏡にて観察する。
(2)膵癌の臨床検体におけるTyro3の免疫染色はすでに終了している。LC3についても同様の検体で免疫染色を行い、Tyro3とLC3の発現の相関を確認する。
(3)Tyro3過剰発現/発現抑制細胞をヌードマウスに皮下注射し生着させる。Gemや5-FUの腹腔内投与を開始し、Tyro3の発現による化学療法の感受性の差異を検討する。併せてGem,5-FUに加えてCQの腹腔内投与を行い、CQの化学療法に対する感受性の差異を検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] 当科におけるロボット支援下結腸手術の導入経験2023

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      日本内視鏡外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ロボット支援下直腸手術における感染性合併症について2023

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      日本外科感染症学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ロボット支援下手術と腹腔鏡手術における術後感染性合併症についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      第35回日本内視鏡外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 高齢者の切除不能進行再発大腸癌に対する治療の現状2022

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      第122回日本外科学会定期学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Short-term outcomes of robot-assisted rectal cancer surgery for elderly patients over 80 years old2022

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      第77回消化器外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 当科における下部進行直腸癌に対するCRT施行症例の治療成績2022

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      第84回日本臨床外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 当科におけるロボット支援下直腸手術術後合併症の検討2022

    • 著者名/発表者名
      山本学
    • 学会等名
      第15回 日本ロボット外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] TYRO3 promotes chemoresistance via increased LC3 expression in pancreatic cancer2022

    • 著者名/発表者名
      原和志
    • 学会等名
      第33回消化器癌発生学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] TYRO3 receptor tyrosine kinase promoted chemoresistance and proliferation / migration ability of pancreatic cancer2022

    • 著者名/発表者名
      原和志
    • 学会等名
      第77回消化器外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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