• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

EMASTと悪性度との関係性から紐解く進行大腸癌の低酸素性悪性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 22K08810
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

有田 通恒  東邦大学, 医学部, 助教 (80307719)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードEMAST / 低酸素 / p53 / CRISPR-Cas9 / マイクロサテライト不安定 / 進行大腸癌 / 悪性化機構
研究開始時の研究の概要

進行大腸癌の克服にはその癌の特性に根ざした新たな機序の抗癌薬が求められている。本研究は、進行大腸癌に特徴的なEMAST型マイクロサテライト不安定性に着目し、EMASTを示す腫瘍細胞に特有の悪性化機構の解明を目指す。
マイクロサテライト不安定性は細胞の変異のしやすさを表すが、中でもEMASTは肝転移再発例に好発することから、EMAST発生に関連した悪性化機構の存在が疑われている。そこで、EMAST細胞を生きたまま取り分け、EMAST細胞とEMASTとなる前の細胞とを比較することで、悪性度に関わる性状やその性状を示す原因となる遺伝子やタンパク質の異常を探索する。

研究実績の概要

進行大腸癌がEMASTと相関して悪性度を増す機構の研究には、臨床でのEMAST発生環境を精緻に再現する実験的条件だけでなく、その条件でEMASTを示す細胞を分取して解析する手法が必須である。したがって、本研究の成否は、EMASTとそうでない細胞とが混在する集団から、EMAST細胞だけを生きたまま分別できるシステムの確立にある。2年目にあたる2023年度はレポーター細胞株樹立が完了に近づいたので、以下に進捗を述べる。
レポーター細胞株は、EMASTマーカー配列を蛍光タンパク質 (FP) 遺伝子の上流に配置したレポーターカセットを作製し、これをゲノムに導入することで樹立する。EMASTマーカー配列は、その配列長に応じて後続FP遺伝子の発現のオン・オフが決まるように調製した。バリエーションは、配列長に変化が生じれば発現がオンになる「Out-of-frame to In-frame (O2I)」型と配列長の変化でオフになる「In-frame to Out-of-frame (I2O)」型とを設計した。O2I型は目的細胞が蛍光を発するため識別と分取に有利な反面、検出できる配列長変化がIn-frameになる1通りに限られる。一方、I2O型は蛍光消失を目的細胞の指標とするため、偽陽性率の増加が懸念されるものの、何通りもの配列長変化がOut-of-frameに繋がるため、結果として陽性細胞の識別効率向上が期待できる。互いに一長一短であるO2I型とI2O型を同時並行で作製することで、より効果のあるレポーター細胞株樹立を目指した。すべてのレポーターカセット(EMAST判定に必要なマーカー配列2種、ならびに各配列につきO2I型とI2O型)と、レポーターカセットを導入するゲノム位置のターゲティング用ベクターへの組み込みが完了し、現在、レポーター細胞株の選別を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在はレポーター細胞株の樹立を待つ段階にあり、本来の目的である、EMAST細胞の分取とその解析へ移行できるのには今しばらく時間を要する。ただし、初年度に明らかとなったレポーターカセットとしての問題点は改善でき、レポーター細胞株の作製まで進めた。これにより、遅れを解消できる段階に来たと評価して、上記の進捗区分とした。

今後の研究の推進方策

レポーター細胞株が樹立できたら、速やかにレポーターシステムとしての評価を実施する。評価は、EMAST陽性率や分取した細胞のジェノタイプやフェノタイプ解析により行う。並行して、EMAST誘導に対するp53の働きの分子機序に焦点を当てた解析にも着手する。具体的には、野生型もしくは変異型p53の有無により、in vitroでのDNAミスマッチ修復効率がどのように変化するかを調べる。また、公開されているデータベースをもとに、各種ドライ解析を駆使して、本研究で得られた成果の検証や今後の方向性の模索材料とする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi