研究課題/領域番号 |
22K08818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
播本 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (00419582)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
伊古田 勇人 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (90420116)
川端 麗香 群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 分化 / 肝内胆管癌 / 形態病理 / 肝がん |
研究開始時の研究の概要 |
従来、癌組織は腫瘍内で均一でなく、heterogeneity(不均一性)を持つと報告され、肝癌の多段階発癌にかかわる遺伝子を描出するのにheterogeneityが障害となっていた。新たに空間的遺伝子発現解析を肝癌に適用することで、肝癌組織切片における全トランスクリプトームを測定し、病理形態的差と遺伝子発現の関係を視覚的に捉えることが可能となる。この新たなツールを用いて肝癌の最も臨床的予後に関与する分化度を規定する遺伝子を同定し、その機能解析を行い、分化度規定遺伝子をコントロールすることで肝癌の分化を誘導し治療へ応用することを目的とする。
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研究実績の概要 |
肝細胞癌切除症例の内、形態的な違いを持ちかつ、分化度が異なるcomponentを持つ切片を19症例、混合型肝癌4症例を病理学伊古田先生とともにピックアップした。ホルマリン固定であるため、このうちRNAのクオリティが十分高いことを検証し、肝細胞癌切除4症例、混合型肝癌4症例の網羅的空間的遺伝子解析を行った。このうちvisiumによる遺伝子発現が著明な肝細胞癌切除3症例、混合型肝癌3症例の病理学的表現型の差(分化度の差)と遺伝子発現の差を網羅的な解析しており、有望な遺伝子を同定しつつある。特に増殖活性の高い部位と脂質代謝にかかわる遺伝子の発現の差が著明であり、さらなる解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ホルマリン固定のサンプルからRNAクオリティの良いものを描出し実際の空間的遺伝子解析を合計6検体で行うことができた。本研究では形態的な差と遺伝子発現の差を比べる必要がり、遺伝子解析と病理学の研究分担者を加えているためスムーズに解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、分化度別に発現に差のある遺伝子やその遺伝子に関するシグナル伝達経路に関する遺伝子について実際の肝細胞癌や肝内胆管癌切除標本での免疫組織化学染色を行い、各因子の発現の程度と臨床病理学的因子との関係について検討し、治療経過や予後との相関について検討する。また分化度による遺伝子発現の差を認めた標本におけるmicrodissectionと遺伝子変異解析を行う。さらにGDC/ICGC data portalやSRAに登録されている肝癌・肝内胆管癌のRNA-seqあるいはscRNA-seqデータ、変異データ、臨床情報を入手し、候補因子の発現と分化度や予後との関連解析を行い。来年度はマウス皮下腫瘍モデルでの遺伝子強発現あるいはsiによるノックダウンによる抗腫瘍効果を観察する。
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