研究課題/領域番号 |
22K08826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 純一 九州大学, 大学病院, 医員 (60869569)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
岩田 通夫 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60746642)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肝内胆管癌 / オミックス解析 / 代謝産物 / BCAA / mTOR / BCAT1/BCAT2 / 多層オミックス解析 / 分子鎖アミノ酸(BCAA)活性 / リポジショニング・ドラッグ |
研究開始時の研究の概要 |
肝内胆管癌は切除以外の抜本的な治療法が少なく、悪性度が高く、肝内胆管癌に高い抗腫瘍効果を示す薬剤が求められている。本研究では肝内胆管癌において症例間だけでなく腫瘍内にも普遍的に存在するドライバー遺伝子を多層オミックス解析(ゲノム/転写産物/タンパク/代謝産物)にて同定し、分子標的薬剤を同定する。我々の所有する肝内胆管癌原発巣マルチサンプリングデータと研究協力者である九州工業大学 山西芳裕教授の所有する1000種類にも及ぶリポジショニング薬の癌株化細胞への投薬に伴う発現プロファイルデータを機械学習のアプローチにて比較検討し、最も高い抗腫瘍効果を示す化合物を同定し、作用機序を明らかとする。
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研究実績の概要 |
肝内胆管癌は難治がんの一つであり治療成績の改善には従来とは異なるアプローチが求められている。肝内胆管癌の非癌部に比べて癌部における分子鎖アミノ酸(BCAA)活性は多くの症例で普遍的に認めた。BCAAの分解には約40種類の酵素が関与しているがBCAT1とBCAT2のみ腫瘍組織で高発現となっていた。このBCAT1に対して有効な薬剤を選出する。 まず最初にBCAAを介する癌進展機構の解明を試みた。ICCにおいてBCAAがmTORシグナルを介して細胞増殖と浸潤を刺激するかどうかを検討した。すなわちヒトICC細胞株(SSP-25、RBE、HCCC-9810)におけるBCAAの主要触媒酵素であるBCAT1およびBCAT2の発現を正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)における発現と比較した。その結果、ICC細胞では、NHDFと比較して、BCAT1およびBCAT2の発現量が増加していた。さらにICC細胞においてBCAAがmTORシグナルを活性化するいなかを検証するために蛋白発現解析を行った。BCAA存在下、SSP-25およびHCCC-9810細胞では、mTORおよびS6K、S6、4EBP-1を含むmTOR経路の下流タンパク質のリン酸化が増加し細胞増殖および浸潤能が増加した。 一方、ICC細胞において、BCAT1/2がBCAAの存在下でmTORシグナルに影響を与えるかを調べた。BCAA活性化でBCAT1とBCAT2をノックダウンしたところ、mTORシグナルのダウンレギュレーションおよび細胞増殖の遅延が見られ、ICC細胞ではBCAA活性化環境がmTORシグナルの刺激に重要であることを明らかにした (Kitagawa A., Takahashi J, et al. Br J Cancer 2023, doi: 10.1038/s41416-023-02256-4.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画通りに進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
mTORC1の活性化は、多くのヒト癌や動物腫瘍モデルにおいて、細胞増殖や腫瘍形成を強力に促進することが報告されている。またこれまでの研究で、慢性骨髄性白血病や肝細胞がんでも、BCAAの産生によりmTORが活性化することは明らかである。将来的にmTOR経路の活性化を評価するために、p-mTORとmTORC1の下流エフェクターであるp-S6kの免疫組織化学分析を行った。その結果、p-mTOR活性とp-S6k発現は腫瘍サンプルで有意に相関していたことから、今後治療におけるコンパニオンマーカーとして活用できる。 われわれはBCAT1 mRNAの発現量から2群に分けた。BCAT1に着目し、2群間で有意差を示す遺伝子を肝内胆管がん症例で2556個、公開データ(TCGA:The Cancer Genome Atlas)で2811個特定した。今後は、この発現データを山西芳裕教授のL1000データベース(66の細胞株に1112種類の既存薬を投与した後の978遺伝子の発現プロファイルを収録)と組み合わせ、コサイン類似度を用いてスコア化し、有望な薬剤を選定する。そして、選定した薬剤の抗腫瘍効果を動物実験で検証し作用機序を解明する。
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