研究課題/領域番号 |
22K08828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
曽山 明彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (10549447)
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研究分担者 |
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 再生医療 / 細胞治療 / liver progenitor cell / 胆汁うっ滞 / 肝前駆細胞 / 化学的誘導 / 細胞移植 / 胆道疾患 / 線維化抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
成熟肝細胞から化学的に誘導した肝前駆細胞(Chemically induced liver progenitors, CLiPs)は、肝細胞、胆管上皮細胞の両者に分化することができる。本研究では、in vivoでのCLiPsによる胆管再構築と胆管-肝細胞ネットワーク構築の可能性を探索する。 本研究の成果は、胆管障害、肝実質障害を来す胆道閉鎖症や原発性硬化性胆管炎などの難治性胆道疾患に対する治療の開発に向けた基盤となると考えられる。
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研究実績の概要 |
GFPラットの成熟肝細胞を3つの低分子化合物(ROCK阻害剤、TGF-β阻害剤、GSK3阻害剤)を添加した培地で培養することにより肝細胞、胆管上皮細胞の両者に分化可能な肝前駆細胞(chemically induced liver progenitors)CLiPを作製した後に、その細胞をnon-GFPラットに様々な経路で移植し、その生着、分化について組織学的評価、免疫染色を行った。CLiPの投与経路としては、経門脈投与、経胆管投与、実質への注入による投与の3種類の方法での投与を行った。レシピエントラットは肝内の胆管増生を促すモデルとして、ラットの総胆管離断モデルを採用した。上記3種類の方法のうち、経胆管投与モデルではCLiPの生着は認めなかった。経門脈投与、実質投与ともにCLiPの生着を認めた。経門脈投与と実質投与の2群を比較すると、経門脈投与群の方がより生着率が高いということがわかった。さらに経門脈投与群において、CLiP由来の細胞が胆管上皮マーカーを発現していることがわかった。構造学的評価に加えてGFPと胆管上皮マーカーの蛍光二重染色を行うことにより、胆管の中に、GFP陽性、胆管上皮マーカー陽性の細胞が存在することがわかり、CLiPが胆管上皮細胞に分化し、さらにその後レシピエント由来の胆管と結合している可能性が示された。現在、レシピエント胆管とCLiP由来胆管の組織学的特徴について評価を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GFPラットの成熟肝細胞から作製したCLiPを総胆管離断モデルラットへの移植実験を安定して実施できるようになり、実験を進めることができた。経門脈、経胆管、経実質のルートからの移植実験の結果、それぞれのモデルでの生着の特徴、また胆管細胞への分化の状態を組織学的、分子生物学的に評価することができた。
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今後の研究の推進方策 |
CLiPの作製から、総胆管離断モデルへの移植実験が安定して実施できるようになり、サンプルの収集、評価を進めている。令和6年度には追加で移植実験を行い、組織学的、分子生物学的評価を追加する。
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