研究課題/領域番号 |
22K08835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
進士 誠一 日本医科大学, 医学部, 講師 (80409193)
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研究分担者 |
石渡 俊行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (90203041)
佐々木 紀彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80639063)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 消化管神経内分泌腫瘍 / がん幹細胞 / 走査型電子顕微鏡 / 位相差顕微鏡 / EMT / 神経内分泌腫瘍 / 消化管 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管神経内分泌癌(NEC, 内分泌細胞癌)は診断時には大部分の症例で遠隔転移がみられる、極めて予後不良な疾患である。その罹患率は、最近35年間で50倍に増加したが、その要因は不明である。さらに、通常の消化器癌に有効な抗癌剤の効果も乏しく、治療法は未だ確立していない。本研究では、消化管神経内分泌癌に対する新規治療法の開発を目的に、大腸神経内分泌癌由来の培養細胞株(SS-2細胞)を用いて、①遺伝子発現、②細胞内シグナル伝達に関与する細胞表面の糖鎖発現、③生体内の状態に類似した3次元培養法下で有効な候補薬剤を検討する。さらに転移能が高いNECの腫瘍微小環境についても検討する。
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研究実績の概要 |
消化管神経内分泌癌(NEC)は診断時に多くの症例で遠隔転移がみられる、極めて予後不良な疾患である。しかし、通常の消化器癌に有効な抗がん剤の効果も乏しく、治療法は未だ確立していない。申請者らはこれまで大腸神経内分泌由来の培養細胞株(SS-2細胞)の樹立に成功し、そのスフィアではがん幹細胞マーカーであるCD133が高発現していることを報告した。 近年、膵・消化管神経内分泌腫瘍が注目され診断基準や治療法が整理されつつある中で、NECの罹患率が35年間で50倍に増加し、今後さらに増加し続けることが予想される。しかし、国内外を通してNECの悪性化の機構や転移能についての基礎的・臨床的研究は進んでいない。 そこで申請者はNECに対する新規治療法の開発を目的に細胞表面に発現している糖鎖の役割や、糖鎖を標的とした薬剤開発、腫瘍微小環境についての検討を開始した。令和4年度は、通常のヒト大腸癌培養細胞株(DLD-1, CACO-2, HCT-15, SW480, COLO-302)とヒト大腸NEC培養細胞株(SS-2)におけるEMTマーカー(E-cadherin, Vimentin)発現、ならびにがん幹細胞マーカー(CD133)発現をRT-PCR法で検討した。その結果、腫瘍細胞は様々な程度にEMTマーカーを発現していた。SS-2細胞はE-cadherin高値の上皮系の性質を持つ細胞株であった。がん幹細胞マーカーについては、CACO-2が他の培養細胞株と比較して有意にCD133が高発現していた。今後、3D培養を行い、位相差顕微鏡、走査型電子顕微鏡で観察し形態的・機能的特徴の違いを検討する。さらに3D培養した細胞のEMTマーカー発現、ならびにがん幹細胞マーカー発現について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SS-2細胞の遺伝子発現解析を行う際の比較対象となる、通常ヒト大腸がん培養細胞株の準備と調整に時間を要し、計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に行った実験結果をもとに、ヒト大腸癌培養細胞株(DLD-1, CACO-2, HCT-15, SW480, COLO-302)とヒト大腸NEC培養細胞株(SS-2)の3D培養を行い、位相差顕微鏡、走査型電子顕微鏡で観察し形態的・機能的特徴の違いを検討する。さらに3D培養した細胞のEMTマーカー発現、ならびにがん幹細胞マーカー発現について検討する。 また、SS-2細胞の糖鎖発現解析、プロテオーム解析を開始する。
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