研究課題/領域番号 |
22K08837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
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研究分担者 |
YANG JAY 北海道大学, 医学研究院, 客員教授 (60897619)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
中村 透 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70645796)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / ICI / DNAアプタマー |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に膵癌は腫瘍免疫活性が低く、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果が乏しい現状であるが、下記3点を軸に転移膵癌に対する効果的な治療法を開発する。①共有結合DNAアプタマーを応用したICI(Immune checkpoint inhibit covalently-binding aptamers:ICIA)を開発し効果を検証する。②腫瘍選択的増殖型レトロウイルスベクターによる腫瘍免疫誘導を併用し、ICIAとの相乗効果を検証する。③IL-15アゴニストによるナチュラルキラー細胞(NK細胞)ならびに細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を加え、①②との複合療法を開発する。
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研究実績の概要 |
膵癌は腫瘍免疫活性が低く、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果が乏しい現状であるが、共有結合DNAアプタマーを応用したICI(Immune checkpoint inhibit covalently-binding aptamers:ICIA)を開発し効果を検証する目的で研究を開始した。DNAアプタマーは生体内でDNAseの影響で速やかに分解されるため、効果が不安定という欠点がある。そこで共有結合を付加し安定したDNAアプタマーの作成の予備実験を施行した。Tabuchiらの論文(Chem. Commun.,2021,57,2483-86)を参考にthrombinに対するaptamer(thrombin binding aptamer:TBA) を共有結合化したアプタマーをコントロールとし、PD-L1に対する共有結合アプタマーを複数作成した。PD-L1に対するアプタマーの塩基配列は複数報告があるが、塩基数が比較的少なく複数検証された、aptPD-L1(Molecular Therapy-Nucleic Acids20165,e397)を選択し、16番目、20番目、45番目のT残基にwarheadを導入した共有結合型アプタマーを作成した。SDS-PAGEで観察すると、コントロールのTBAはthrombinとの結合が確認されたが、PD-L1とcovalent aptamer(T16,T20,T45,3riplet)の4種類はいずれも結合を確認できなかった。Native-PAGやSELEX bufferを用いたり、bufferの種類や条件設定を複数施行したが、いずれも結合を確認できなかった。そこで、癌細胞の増殖因子VEGF165に対する共有結合アプタマーを作成し実験系がワークしているかを検証した。結果、VEGF165共有結合アプタマー(T4,T17,T22)は3種ともVEGFとの結合が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
PD-L1に対する共有結合アプタマーは、DNAアプタマーの配列のうち、T残基にAr-SO2Fを結合して作成するが、複数のT残基からどの部位を選択するかの指標はない。今回は、PD-L1との結合部位そのものに被らず、かつ遠すぎない位置を選択しT16,T20,T45とその3種全部の4種類を作成した。しかし、抗原抗体反応と同様にDNAの三次元構造によっては、Ar-SO2F結合部位が、抗原との結合そのものを阻害する位置となっていた可能性がある。また、PD-L1とDNAアプタマーの結合は、SELEX法を用いた結合環境で決定した配列であるため、本実験で用いた共有結合型アプタマーの結合条件での反応が良くなかった可能性もある。そこで条件設定を可能な限りのバリエーションで施行を重ねたが解決には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
PD三次元構造解析を用いれば、ある程度の予測が可能となるが、スーパーコンピュータを用いた解析を要するため、現時点のリソースでは厳しい可能性がある。現在、DNA構造解析のシミュレーションが可能な他教室との連携を模索している。 また、共有結合を組み込んだSELEX法によるPD-L1とDNAアプタマーの結合配列の探索の準備を行なっている。この場合、多数の候補を同定し新規配列の同定となるため、本研究期間の延長が必要となる。 また、共有結合のメリットを追求せず、既報のアプタマーを用いて、本来の目的である、①腫瘍選択的増殖型レトロウイルスベクターによる腫瘍免疫誘導を併用し、アプタマーとの相乗効果を検証する。②IL-15アゴニストによるナチュラルキラー細胞(NK細胞)ならびに細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を加え、複合療法の実験を進める予定である。
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