研究課題/領域番号 |
22K08854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
寺井 太一 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (90896713)
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研究分担者 |
西和田 敏 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80745795)
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (80646092)
中川 顕志 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30812341)
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵癌 / 低酸素環境 / 化学放射線治療 / Carbonic Anhydrase 9 / 集学的治療 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
最難治癌である膵癌の治療反応性や抵抗性を予測することは現在不可能である.Carbonic Anhydrase 9(CA9)は低酸素環境で癌細胞に発現する膜貫通蛋白であり,固形癌において腫瘍の局所進展や転移に関わっている.CA9の術前化学放射線治療に対する抵抗性獲得機構を明らかにし,バイオマーカ ーとして活用,さらには治療標的にすることで,新たな膵癌治療の開発を図ることを目標とする.
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研究実績の概要 |
低酸素環境は腫瘍の悪性化に関わり,有望な環境標的治療の対象となりうる.Carbonic Anhydrase 9(CA9)は低酸素環境で癌細胞に発現する膜貫通蛋白であ り,固形癌において腫瘍の局所進展や転移に関わっていると報告されているが化学放射線治療との関連について報告されていない.今回我々は膵癌においてCA9 と化学放射線治療に着目し,統合的を行った. In vitro実験としてBxPC-3細胞株,Panc-1細胞株を用いて,低酸素培養(1%02),放射線照射(2Gy×5day),放射線照射+ゲムシタビン(0.1nM)投与を行 い,CA9の発現をRT-PCR,FACSで比較し,さらにSiRNAを用いてCA9を阻害し,増殖アッセイを行った. 低酸素培養を行うとCA9の発現は有意に上昇したが,BxPC-3,Panc-1共に放射線照射,放射線照射+ゲムシタビン投与でCA9の発現はRNA,タンパク質共に低下していた.増殖アッセイでは放射線照射,CA9阻害,CA9阻害+放射線照射,CA9阻害+放射線照射+ゲムシタビンに差は認めず,治療を何も加えていないNaiveなもの が有意に細胞増殖を認めた.また,Apoptosis解析においてCA9発現が各種の治療におけるApoptpsis促進性に関与していることがわかった. 化学放射線治療により,CA9が低下することが,膵癌患者の予後延長に寄与している可能性があり,治療選択に応用できる可能性があると考える. また, 術前治療前後の血中CA9濃度をELISA法により確認したところ術前治療後の血中CA9濃度は有意に上昇しており,化学放射線治療によりCA9の動態がダイナミックに変化していることがわかった.今後さらなる検証を行い,CA9の機能解析や測定の臨床での意義をさらに検証していく.
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