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組織透明化法による遠位胆管癌の神経周囲浸潤機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K08861
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55020:消化器外科学関連
研究機関弘前大学

研究代表者

小笠原 宏一  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00836744)

研究分担者 袴田 健一  弘前大学, 医学研究科, 教授 (30271802)
木村 憲央  弘前大学, 医学研究科, 講師 (60436029)
吉澤 忠司  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (70761071)
鬼島 宏  弘前大学, 医学研究科, 教授 (90204859)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード遠位胆管癌 / 組織透明化法 / 神経周囲浸潤 / 神経新生 / 組織透明化
研究開始時の研究の概要

難治癌である遠位胆管癌の発育進展の特徴は神経周囲に浸潤することである。組織透明化法は生体組織を透明化することで広範囲の観察を可能にする研究方法であり、近年では消化器癌の浸潤形態の観察が可能である。本研究ではこの組織透明化法を用いて、遠位胆管癌が神経周囲にどのような形態で浸潤するのかを観察し、そのメカニズムを解明することを目標とする。加えて当施設における胆管癌集積症例を用いた予後の検討、神経への浸潤能の獲得に関わる神経栄養因子の検討を横断的に実施する。神経周囲浸潤がどのようにして予後不良の原因として結びつくのかを解明し、癌の制御、抑制につながる糸口とすることを目的とする。

研究実績の概要

本研究では、「遠位胆管癌の神経周囲浸潤病巣における浸潤能の獲得やその形態的変化は、癌としての悪性度に関わる変化と結びついている」という仮説から、遠位胆管癌のうち予後良好である症例群と予後不良となる症例群において、その浸潤形態やメカニズムが異なることを証明することが研究目標である。
遠位胆管癌の悪性度獲得にかかわる因子の検討として、本研究では(ア) 遠位胆管癌の神経周囲浸潤の定量化、(イ) 遠位胆管癌の神経栄養因子の発現強度の定量化、(ウ) 組織透明化法による遠位胆管癌の癌浸潤部の観察の3つの観点からアプローチする計画である。上記のうち2023年度は主に(ア) 遠位胆管癌の神経周囲浸潤の定量化および(イ) 遠位胆管癌の神経栄養因子の発現強度の定量化の2点に重点をおいた。
(ア)遠位胆管癌の神経周囲浸潤の定量化では2010-2015年にかけて当施設で手術治療を実施した遠位胆管癌の症例を対象として病理組織標本を再評価し、(1)神経周囲浸潤の個数の集計、(2)胆管壁内外での神経周囲浸潤の集計、(3)神経周囲浸潤の形態別集計(Grade1: 神経の一部に浸潤、Grade2: 神経の全周性に浸潤、Grade3: 神経束内部まで浸潤)を行う。これら3形式の集計結果から統計学的に予後不良となる浸潤形態を解析した。
(イ)遠位胆管癌の神経栄養因子の発現強度の定量化に関しては、上記(ア)の検討で予後不良の特徴を有する群とそれ以外の群間において、神経栄養因子発現の相関関係を検討する。評価方法は上記(ア)の検討において抽出した2切片に対し各神経栄養因子の免疫染色を実施し、IHC法による染色強度を判定する。この結果から予後不良群とそれ以外の群間において統計学的に発現強度に有意差が認められるかを解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度および2023年度の研究計画については、おおむね予定通り滞りなく実施することができている。

今後の研究の推進方策

2024年度はこれまでに実施した研究項目である(ア) 遠位胆管癌の神経周囲浸潤の定量化、(イ) 遠位胆管癌の神経栄養因子の発現強度の定量化、(ウ) 組織透明化法による遠位胆管癌の癌浸潤部の観察の3つの観点を横断的に検討し、予後不良となる神経周囲浸潤症例の観察をすることで、生体内でどのような浸潤メカニズムが生じているのかを解明し、どのような機序で悪性度を獲得するのかを検討する予定である。
これまでの研究のうち上記(ア)の検討では神経束内に癌組織が深く浸潤するGrade3: 神経束内部まで浸潤の特徴を有する症例が有意に予後不良であることが明らかとなった。さらに(イ)の検討において、Grade3: 神経束内部まで浸潤の特徴を有する症例において神経栄養因子の発現強度が有意に増強することが明らかとなっている。(ウ)の検討において、Grade3: 神経束内部まで浸潤の特徴を有する症例では、癌周囲の組織で有意に神経組織体積が増加していることが明らかとなった。これらの結果についてはこれまでに関係学会で発表済みである。
上記(ア)、(イ)、(ウ)の結果を横断的、統計学的に解析、検討することで遠位胆管癌の浸潤メカニズムを生じる過程について明らかにする計画である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional analysis of perineural invasion in extrahepatic cholangiocarcinoma using tissue clearing2023

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara Hirokazu、Yoshizawa Tadashi、Oshima Kiyoko、Ogasawara Kenta、Kubota Shunsuke、Goto Shintaro、Morohashi Satoko、Wakiya Taiichi、Kimura Norihisa、Ishido Keinosuke、Kijima Hiroshi、Hakamada Kenichi
    • 雑誌名

      Pathology and Oncology Research

      巻: 29 ページ: 1611284-1611284

    • DOI

      10.3389/pore.2023.1611284

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] A Case of Double Cancer of Squamous Cell Carcinoma of the Rectum and Adenocarcinoma of the Sigmoid Colon2023

    • 著者名/発表者名
      Shinji Tsutsumi, Hirokazu Ogasawara, Satoko Umetsu, Akiko Suto, Harue Akasaka, Shigeru Shibata
    • 雑誌名

      Gan To Kagaku Ryoho

      巻: 50 ページ: 1423-1425

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Short Term and Long Term Outcomes of Robotic Surgery in Sphincter Function Preserving Surgery for Lower Rectal Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Tamba, Takuya Miura, Yoshiyuki Sakamoto, Hajime Morohashi, Takuji Kagiya, Satoru Tsuruta, Hirokazu Ogasawara, Kenichi Hakamada
    • 雑誌名

      Gan To Kagaku Ryoho

      巻: 50 ページ: 212-214

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 胆道癌取扱い規約第7版に基づいた遠位胆管癌の治療成績の再評価 遠位胆管癌における局所浸潤の至適評価法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      小笠原 宏一, 石戸 圭之輔, 木村 憲央, 長瀬 勇人, 吉澤 忠司, 若狭 悠介, 鬼島 宏, 袴田 健一
    • 学会等名
      日本消化器外科学会総会78回
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 神経新生が遠位胆管癌の悪性度獲得に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      小笠原宏一
    • 学会等名
      日本外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 組織透明化法を用いた遠位胆管癌神経周囲浸潤の三次元的構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      小笠原宏一
    • 学会等名
      日本消化器外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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