研究課題/領域番号 |
22K08883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
西田 俊朗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 客員研究員 (40263264)
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研究分担者 |
小幡 裕希 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (20609408)
高橋 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50452389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GIST / 消化管間質細胞腫 / KIT / 遺伝子変異 / PKD2) / 細胞内局在 / タンパク輸送 / ゴルジ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では以下の研究を予定している。 1.臨床検体を用いGISTで変異KITがトランスゴルジ周辺でリン酸化し、リン酸化PKD2やPI3KB、AP1、GGA1との共存を明らかにする。 2.細胞培養とxenograft modelでPKD2阻害剤がGISTの増殖を阻害することを示す。 3.家族性GIST患者と変異KITのKnock-in mice検体を用い、発生学的にPKD2リン酸化と変異KITのトランスゴルジ局在化時期と腫瘍化の関係を明らかにする。 4.骨髄腫での変異FGFR3や肝癌の変異MET等のトランスゴルジに局在する変異キナーゼの異常局在に関係する分子を免沈やプロテオーム解析で明らかにする。
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研究実績の概要 |
「研究の目的」本研究では,消化管間質細胞腫 (gastrointestinal stromal tumor: GIST) の主原因の変異KITチロシンキナーゼのゴルジ停留とそこからの増殖シグナル発信の要因としてin vitroの実験で明らかにした Protein Kinase D2 (PKD2) を中心に,ゴルジ停留の詳細な分子機構, チロシンリン酸化の必要性, 更にはこれらを踏まえた治療薬開発の基盤的解明を目的としている。 {進捗概要」本年度は,複数のGIST細胞株 (イマチニブ感受性株: GIST-T1; イマチニブ耐性株: GIST-R9, GIST430/654, GIST48) を用い,PKDキナーゼ阻害剤(CRT0066101)の効果を調べた。PKD阻害剤は,いずれのGIST細胞株に対しても細胞形態の収縮, 増殖抑制効果を示し,細胞死の誘導が観察され,8時間以内にアポトーシスマーカーのレベルが亢進していることが確認された。PKD阻害剤処理で自己リン酸化(PKD2活性化の指標として用いた)は抑制された。PKD阻害剤処理で,イマチニブ感受性,耐性に関わらず,変異KITはゴルジ領域から離れリソソームに移行し,変異KITが分解されていることを示唆するデータを得ている。また,PKD2阻害でPKDのエフェクターであるPI4-Kinase IIIB (PI4KIIIB) の産生物質PI4Pのレベルが低下した。siRNAによるPI4KIIIBのノックダウンは,CRT0066101処理と形態学的にも生化学的結果も類似し,KIT変異GISTではPKD2-PI4KIIIBが活性化していることを示唆した。今後,PKR2-PI4KIIIB経路活性化におけるKIT活性化の意義の解析と,臨床検体, ノックインマウスでの実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イマチニブ耐性を含む複数のGIST細胞株の増殖に関し,PKD阻害剤が増殖抑制効果を有することが確認できた。その際KIT変異体のゴルジからの移動を明らかにでき,いずれの細胞株でも一致した結果を得た。PKD2の下流の分子機構に関して,複数のGIST細胞株でPI4KIIIBの関与を示唆するデータを得,その活性化を調べる手段を構築することができた。PKD2の876番目のセリン残基の自己リン酸化, 即ちPKD2活性化を蛍光顕微鏡およびイムノブロットで検出可能となりPKD2活性化の細胞内部位と,阻害剤の効果を計測できるようになったため,「概ね順調に進展している」 とした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きイマチニブ感受性および耐性のGIST細胞において,変異型KITとPKD2-PI4KIIIB経路に関連する分子群の相互作用の詳細分子機構を解明する。また,イマチニブ耐性KIT変異のノックインマウスのGIST様の病変部を用いた実験の準備をおこなう。さらに,PKD2阻害が他がん種のドライバー遺伝子変異キナーゼの細胞内局在およびシグナルに影響あるかどうかを検討する。 また,今年度以降,1.KIT変異GISTやKITに変異のないWild-type GISTの臨床検体を用いGISTで変異KITがトランスゴルジ周辺でリン酸化し,リン酸化PKD2やPI3KBとの共存を明らかにする。2.さらに家族性GIST患者と変異KITのKnock-in mice検体を用い,発生学的にPKD2リン酸化と変異KITのトランスゴルジ局在化時期と腫瘍化の関係を明らかにする。
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