研究課題/領域番号 |
22K08891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
牧野 勇 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30543657)
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研究分担者 |
華山 力成 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (40403191)
八木 真太郎 金沢大学, 医学系, 教授 (60447969)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵癌 / biological behavior / バイオマーカー / tumor educated platelets / exosome |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌患者数は増加傾向でその予後は極めて不良である.膵癌の診療においては腫瘍のbiological behaviorを測る鋭敏なバイオマーカーが切望されている.本研究では腫瘍の存在により血小板が発現するmRNAが変化するtumor educated platelets (TEP)という概念に基づき,臨床研究にて血小板のmRNAパターンを解析し,膵癌のbiological behaviorが推測可能かについて検証を行う.更に腫瘍に由来するexosomeが骨髄の巨細胞に作用を及ぼし血小板が発現するmRNAを変化させるという仮説をたて,動物実験により本仮説の検証を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,難治癌である膵癌の生物学的特性(biological behabior)を予測する有用なバイオマーカーを見出すことを主目的としている.バイオマーカーの有望な候補として,血小板とexosomeに着目した.担癌患者において血小板中のmRNAのプロファイルが変化する,tumor educated platelets (TEP)という概念があり,本機序が,膵癌に由来するexosomeが骨髄中の巨核球に取り込まれて,血小板のmRNAを変化させることによると仮説し,さらにこのTEPが膵癌の生物学的特性を反映するバイオマーカーとなりうると仮説した.本研究は,この機序を証明することを企図して計画した. 膵癌切除症例を集積し,癌組織からexosomeの抽出を順次行った.現在は,有望なタンパクやmRNAを見出すべく網羅的解析を行っており,その解析結果を待っている段階である. 有望なバイオマーカーの候補が確認できれば,その発現状況と膵癌症例の予後や臨床経過との相関状況を観察する. 同時に,血小板を精製してRNA発現状況の解析を行い,先のexosome解析との相関性を検証し,血小板が,膵癌のbiological behaviorを反映するバイオマーカーとなり得るかを検証する. さらに,有望なexosomeの候補が特定出来たら,マウスを用いたPatient-derived orthotopic xenograft(PDOX)を用いて,血小板のRNA解析や骨髄中の巨核球の解析にて,TEPの機序が,膵癌に由来するexosomeが骨髄中の巨核球に取り込まれて,血小板のmRNAを変化させることに基づくことを証明する計画としている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在は,膵癌切除症例を集積し,癌組織からexosomeを抽出し,膵癌のbiological behaviorを反映する有望なタンパクやmRNAを見出すべく網羅的解析を行っている段階である.この解析にやや時間を要しているが,成果が得られれば,以後の研究は進行してゆくと考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,血小板を精製してRNA発現状況の解析を行い,先のexosome解析との相関性を検証し,血小板が,膵癌のbiological behaviorを反映するバイオマーカーとなり得るかを検証する. さらに,有望なexosomeの候補が特定出来たら,マウスを用いたPatient-derived orthotopic xenograft(PDOX)を用いて,血小板のRNA解析や骨髄中の巨核球の解析にて,TEPの機序が,膵癌に由来するexosomeが骨髄中の巨核球に取り込まれて,血小板のmRNAを変化させることに基づくことを証明する計画としている.
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