研究課題/領域番号 |
22K08909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新宮 康栄 北海道大学, 医学研究院, 講師 (30617064)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 急性心筋梗塞 / 補助循環用ポンプカテーテル / 異所性心臓移植 / 左室負荷軽減 / 心筋萎縮 / オートファジー / 心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
仮説:「オートファジー活性化が左心補助装置装着後の心機能の回復を促進する」を検証するためにラットの異所性心臓移植モデルを使用する.以下の方法で研究をすすめる:(1)急性心筋梗塞モデル:前壁梗塞後のラット心を別のラットの腹部に移植し(左室負荷軽減),オートファジー活性の心機能への効果を判定;(2)慢性心筋梗塞モデル:心筋梗塞の4週間後にラット心を別のラットの腹部に移植し,同様にオートファジー活性の効果を判定する.
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研究実績の概要 |
本年度は,ラットの急性心筋梗塞後の心臓と急性心筋梗塞の直後から左室負荷軽減 (unloading)した心臓の心機能,心筋細胞のサイズと心筋萎縮関連遺伝子発現,オートファージー関連蛋白発現を比較し,オートファジー活性化剤を使用する予定であった. まず実験モデルの確立を行った.10週齢の近交系Lewisラットの左前下行枝を結紮したのち,この梗塞心臓(ドナー心)を別の健常Lewisラット(レシピエント)の腹部に移植した.ドナー心臓の冠動脈はレシピエントの腹部大動脈から栄養され拍動をつづける.左心室は空の状態となりヒトの左心補助装置装着後の状態に類似する.本手術の2週間後にラットを安楽死させ、心エコーとランゲンドルフ心臓灌流により心機能の評価を行った。 これまでに、実験モデルの確立と心筋梗塞例6例,心筋梗塞後unloadingモデル3例の心機能評価が可能であった.本研究では、ラットの急性心筋梗塞後の心臓と急性心筋梗塞後にunloadingした心臓の心機能には差を認めなかった(心機能指標の一つであるrate pressure productの差の効果量は0.3と低値;2.0以上を効果量大と判断)。現時点で目標個体数に達していないが、ランゲンドルフ心臓灌流における心機能検査値の差の効果量は非常に小さく、今後有意差が出る可能性は低い。一方、心エコー検査における左室拡張末期径と左室重量は、心筋梗塞後unloading群で有意に小さかった。これらの結果は、本モデルで効果的に左室unloadingが達成されていることを意味する。 心筋梗塞後のunloadingモデルは我々が独自に開発したモデルであり,本年度の結果から本モデルが左室の負荷軽減モデルとして使用できることがわかった.さらに,2週間という比較的長期の左室負荷軽減では心機能の改善は見込めないことが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,ラットの急性心筋梗塞後の心臓と急性心筋梗塞の直後から左室負荷軽減 (unloading)した心臓の①心機能,②心筋細胞のサイズと心筋萎縮関連遺伝子発現,③オートファージー関連蛋白発現を比較し,④オートファジー活性化剤を使用する予定であった.我々の独自開発の実験モデルの確立に時間を要しため,上記の①の結果までとなり,②③④の準備段階までの進捗となった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ラットの急性心筋梗塞後の心臓と急性心筋梗塞の直後から左室負荷軽減 (unloading)した心臓の心筋萎縮関連遺伝子発現,オートファージー関連蛋白発現をすぐに検討することが可能である.実験モデルはすでに確立したため,本モデルにオートファジー活性化剤(トレハロース)を追加使用した実験もすぐに開始することが可能である.
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