研究課題/領域番号 |
22K08922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
美甘 章仁 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30372709)
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研究分担者 |
鈴木 亮 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10570319)
藏澄 宏之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50645116)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
齊藤 寿郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60648484)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大伏在静脈グラフト / CABG / SVG / PVAT / NO / NT |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈バイパス術(CABG)は虚血性心疾患の標準治療法である。頻用される大伏在静脈グラフト(SVG)は長期開存率が劣っていた。要因として従来の採取法(CV法)の圧拡張が内皮細胞を障害する可能性、血管周囲組織の剥奪が動脈硬化を悪化させる可能性が指摘されていた。近年、圧拡張を省略して血管周囲組織を残す採取法(NT法)により、長期開存率の改善が報告されたが、両者を比較した検証は未だ乏しい。 当教室は、両群の内皮細胞は形態学的な差を認めないこと、NT法で温存されるPVATがNO産生に重要であることを解明した。SVGの動脈硬化を抑制する分子機構を解明できれば、治療法を患者ごとに最適化できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
冠動脈バイパス術において、伏在静脈グラフト(saphenous vein graft:SVG)の周囲組織を剥離して移植することが実施されていたが(conventional preparation:CV)、1990年代から、伏在静脈グラフト(saphenous vein graft:SVG)の周囲組織を剥離せずに移植する方法が(no-touch technique :NT)、CVに代わる方法として実施されている。また、NTはCVよりも治療成績が良いことが報告されているが、その機序は完全には解明されていない。本研究では、臨床サンプルを使用して、NTとCVの機能を解析することで、NTがCVよりも治療成績が良いと報告されている機序の一端の解明を試みるものである。 NTとCVのアセルコリンに対する反応をNO測定で観察すると、CVに対してアセチルコリンを添加しても、添加しなくても、培養液中のNOレベルには変化がなかったが、NTにアセチルコリンを添加した場合、培養液中のNOレベルが上昇することが観察された。この結果は、NTの血管周囲脂肪組織(perivascular adipose tissue :PVAT)によるものではないかと考え、NTをCVとPVATにして、CVのみとCV+PVATに対してアセチルコリンの添加の有無で実験したところ、アセチルコリンの添加にかかわらず、CV+PVATの培養液中のNOレベルは、CVのみの培養液中のNOレベルよりも有意に高い値を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CV、NTからのNOを検出する実験方法を確立し、NTのPVATが重要であることを示す実験結果を得ることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、NTがNOを産生する機序の解明、CVおよびNTの内皮細胞の様子を電子顕微鏡で観察する。
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