研究課題/領域番号 |
22K08927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
村田 智洋 日本医科大学, 医学部, 助教 (70832012)
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研究分担者 |
宮城 泰雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (00350116)
石井 庸介 日本医科大学, 医学部, 教授 (10307895)
栗田 二郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (20421183)
網谷 亮輔 日本医科大学, 医学部, 助教 (30763594)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 多血小板血漿 / PRP / DDS / 徐放化ゲル / 心筋梗塞 / 濃厚血小板血漿 / 心筋再生療法 / 組織再生 |
研究開始時の研究の概要 |
多血小板血漿(Platelet Rich Plasma, PRP) は自己血液から簡便に抽出され,組織再生因子が凝集されている.広く臨床で用いられ安全性も確認されているが,作用メカニズムの不明もあり心疾患では応用されていない.今回の研究では従来の手法とは異なる,徐放化ゲルを貼付する手法を確立する.これによりPRPの作用を高め明瞭化させることで,従来では観察出来なかったその作用メカニズムを明らかにする.またパッチの固定などに臨床器材を用いることで前臨床研究としての側面も持つ.これにより虚血性心不全に対する効果的で安全性の高い新しい治療法を研究開発し,さらには早期臨床応用を目指す.
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研究実績の概要 |
実験基材である多血小板血漿(Platelet Rich Plasma, PRP)についてdouble spin法により目標である濃縮度での安定した生成に成功している.また実験における心機能評価方法として,超音波用造影剤であるペルフルブタンを用いたコントラストエコーの撮像方法を確立し,これに関して第123回日本外科学会で学会発表を行なった.また,予備実験に置いてPRPと生分解性徐放化ゲルの併用により心筋梗塞後の生理的・形態的な保存効果を認めている.具体的には心筋梗塞作成後の翌日からの心臓エコー検査での収縮能の指標である左室駆出率(% Ejection Fraction, %EF),左室内径短絡率(% Fractional Shortening, %FS),左室面積変化率(% Fractional Area Change, %FAC)の保存を認めた.この早期性から心筋梗塞後早期でのPRPの作用が示唆され,作用メカニズムとしてPRPの抗炎症作用によるものと考えている.さらに左室壁厚についても,エコー評価の範疇ではPRPを作用させた群において,心筋梗塞群よりも壁厚が保たれることがわかっている.生分解性徐放化ゲルについてはPRPから放出されたサイトカイン(IGF -1,PDGFββ )の徐放化を認めたが,徐放の安定性・保持性に問題があった.さらにはハンドリングや心表面への留置の安定性といった面についても改善が必要であると判断した.そのため心表面への貼付に最適化させた厚さ,形状の生分解性徐放化シートを作成した.新しい生分解性徐放化シートを用いて研究を行うため,改めて徐放化試験及び生体での実験を行う予定を立てている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初に使用していた生分解性徐放化ゲルは,PRP中に含まれ心機能の保存に関与していると思われるサイトカイン(IGF-1,PDGFββ)の保持性が弱いことが徐放化能力試験によって明らかとなった.これを改善し,さらにはハンドリングや心表面への留置に最適化したマテリアルとして新たな生分解性徐放化シートを作成し今後使用する予定としている.この新しい生分解性徐放化シートでの徐放化能力試験及びその効果の評価を今後行う予定である.実験基材変更により,当初に計画していた経過よりも遅延が生じている.しかし,今後の方針は定まっており着実に計画を進めていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
まず新しく作成した生分解性徐放化シートとPRPを併用し,これの心表面への留置方法(サイズ,固定方法)を検討する予定である.心表面への留置モデルを決定した後にin vivoにてその効果を評価する予定としている.またコントロール群としての心筋梗塞のみを施行した群や, PRPを含浸させず生分解性徐放化シートのみを留置した群についても評価を予定している.合わせて,新しい生分解性徐放化シートにPRPを含浸させ着目している抗炎症作用に関与していると考えられるサイトカイン(IGF-1,PDGFββ,TGF -β)についてその徐放化能力を評価する予定である.これらの後にさらにPRPによる心筋梗塞後の生理的・形態的な保存効果のメカニズムについて,抗炎症作用に着目しアポトーシスの抑制効果やオートファジー,マクロファージの変化といった現象について研究を進めていく予定である.
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