研究課題/領域番号 |
22K08929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
内田 大貴 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80422038)
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研究分担者 |
菊地 信介 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80596297)
大平 成真 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (70899814)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 遠赤外線 / ROS / 熱ショック蛋白 / FIR / 内膜肥厚 / ヒートショックプロテイン / FIRAPY |
研究開始時の研究の概要 |
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)に対する静脈グラフト(VG)を用いたバイパス術においては、移植後20ー30%で発生する進行性内膜肥厚 (IH)による狭窄・閉塞が、未だ未解決な臨床課題であり、有効な予防・治療法は確立されていない。 当教室では、血液透析領域でのバスキュラーアクセス狭窄予防において既に臨床応用されている遠赤外線照射(FIRAPY療法)に着目し、その病態近似性から重症下肢虚血患者の自家静脈バイパスグラフトに応用することを念頭に遠赤外線照射による細胞内温度と熱ショックタンパクをターゲットとした内膜肥厚に関する基礎実験を行い、その抑制効果ならびに機序を検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年に引き続き、細胞レベルでの実証を行っている。VSMCへのFIR照射による活性抑制効果をみるにあたり、A基本的解析として、①増殖能:MTSアッセイ、②遊走能:Boyden chaber、③活性酸素種(ROS)レベル解析:DCFアッセイから抑制効果を検討した。グループをコントロール群(n=3)とFIR群(n=3)にわけ、FIR照射器KP-B210上で、照射時間30min,60minで比較した。一連の操作はクリーン・ベンチ内での操作としている。B遺伝子解析においては、照射VSMCからNF-κB、IL6などの炎症性サイトカインの動向と熱ショック蛋白(HSP)活性化との相関を検討する。可能であれば、細胞内温度とHSPとの相関を蛍光型温度プローベの遺伝子導入から検討することも考慮している。A①②においては30min 60minどちらでも両群で有意差つかず、条件設定に難渋している。③は試薬確保の点で未実施となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
単純にエフォートがさけていない状況と、DCFアッセイ試薬の確保が遅れたこと、照射器の不具合、条件設定の難渋から実験がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
条件設定など実験プロトコールを確定させ、研究を進めていく。当初計画で予定していた動物レベル、臨床段階でのFIR照射による狭窄予防の実施には未だ至ってないが、細胞レベルでのVSMC、FIRにおける基本的解析を実施している。VSMC単独では活性の抑制には至らず、細胞活性酸素種(ROS)レベルの影響評価をDCFアッセイで確認していく作業が必要と考えられた。今後は、熱反応性タンパク(HSP)との関連、最終的には、既知の内皮細胞とVSMCによる2面的内膜肥厚抑制機序の解明をすすめる。
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