研究課題/領域番号 |
22K08946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
宮城 泰雄 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00350116)
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研究分担者 |
田邉 造 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 准教授 (20425391)
福原 茂朋 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70332880)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心臓再生医療 / 人工グラフト / 心筋梗塞モデル / 細胞治療 / 血管新生 / 組織工学 / バイオマテリアル / 再生医療 / 心不全治療 / 心臓血管外科 |
研究開始時の研究の概要 |
急速な高齢化社会の到来を迎える我が国では、心不全患者の増加により日本医療は、危機的状況を迎える事が予想される。細胞移植治療による心臓再生医療は、新たな心不全治療として期待されてきたが、未だ、実用化の目処が立っていない。その最大の原因は、移植細胞の低生着率・低生存率にある。本研究で開発する心外膜植え込み型血液灌流ニッシェとは、心臓表面に人工的に形成する細胞移植に適した環境であり、移植細胞の生存・生着を促す足場の役目を目的としている。この細胞移植プラットフォームに、新たな心臓再生医療が実現し、これまで心臓移植対象外であった高齢者心不全患者や心臓移植待機などの入院が必要な重症心不全患者を救済し得る。
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研究実績の概要 |
2023年度は、新たな人工基材の開発をしている。当初予定してたコラーゲンベースの心臓表面移植グラフトに代わり、ゼラチンベースでポリリグリカンメッシュシートによって、補強されたグラフトである。ポリグリカンメッシュシートにより、張力が増強され、心筋梗塞後の心拡大、すなわちリモデリングを予防できる。また、ゼラチンベースにすることにより、血管新生が促されることも判明した。 この新たな人工基材を心筋梗塞モデルラットの心表面に移植したところ、術後4週間後でもグラフトは、心臓表面に残存することが確認可能であった。 さらに、心臓透明化を施したところ、グラフト内部に心臓表面からの新生血管が確認された。 今後、この基材を用いて、心臓表面に血管層を作成するための必要なサイトカイン等の検索に移行する予定である。 心筋梗塞モデルの新しい機能評価として、心臓超音波画像(動画)をオプティカルフロー解析の開発も同時進行で行っている。この解析方法により、心臓動態がベクトルとして可視化され、心臓壁運動をより客観的に評価可能となった。この結果は、既に国内外の学会で発表しており、高い評価を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな人工基材の導入により、心筋梗塞を生じた心臓表面であっても、血管新生の場を作成することが可能となった。これにより、飛躍的に研究推進が可能となった。 また、心臓透明化手法をどうにゅうすることにより、移植後グラフトの状態を可視化可能となり、より客観的評価の元、研究を推進することが可能である。 さらに心筋梗塞後のグラフト移植による心臓機能評価方法として、オプティカルフロー法が確立されたため、より客観的な心臓機能改善効果が可能となり、研究が推進されることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、新たな人工基材の導入と評価方法の確立がされた。今後、グラフト内に血管新生を促す因子の検索に移行する予定である。 もちろん、人工基材の素材を現在のゼラチンベースから変更することも有り得るが、基本的には、既報の方式で研究を推進する予定である。
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