研究課題/領域番号 |
22K08949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
白坂 知識 旭川医科大学, 医学部, 客員准教授 (10710577)
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研究分担者 |
小山 恭平 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00818479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大動脈解離 / 呼吸機能低下 / SIRS / 急性肺障害(ALI) / シベレスタットナトリウム |
研究開始時の研究の概要 |
急性大動脈解離に伴う呼吸機能低下は, その背景に血管の構造破綻を起因とする全身性炎症性症候群(SIRS)が考えられていて, 特に好中球エラスターゼ活性の上昇が急性肺障害(ALI)の原因であることが 動物実験を通して示唆されている. シベレスタットナトリウムは, 急性呼吸促拍症候群(ARDS)に対して保険承認されている薬剤で, 全身の炎症に伴い惹起される好中球エラスターゼを阻害することで, 急性肺障害(ALI)を防ぐことがその作用機序である. シベレスタットナトリウムの好中球エラスターゼ阻害作用に着目し, 大動脈解離に伴って生じるALIに対する本薬剤の肺保護効果の有無とその作用機序を解明する.
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研究実績の概要 |
急性大動脈解離に伴う呼吸機能低下は, その背景に血管の構造破綻を起因とする全身性炎症性症候群(SIRS)が考えられていて, 特に好中球エラスターゼ活性の上昇が急性肺障害(ALI)の原因であることが 動物実験を通して示唆されている. 本研究では, 好中球エラスターゼ阻害薬の肺特異的な抗炎症性効果を証明するのが最終目標だが, まず急性大動脈解離で惹起されると考えられる炎症性サイトカインの発現を証明し、病態生理について解明することが必要と考えた. 令和4年度は、急性大動脈解離の手術で得られる組織を用いて、病変部位において実際に炎症が惹起されているかどうかを、免疫染色法を用いて組織学的に解析した. 始めに、炎症性メディエーターであるIL-6の発現変化を検討したが、適切な抗体を見つけることができなかった. そのため、IL-6の転写因子であるStat3のリン酸化(pStat3)を指標に、炎症の惹起と炎症性メディエーターの発現を評価した. 大動脈解離群において大動脈壁内部のpStat3陽性細胞の割合は約71%で、コントロール群(真性瘤)と比較して高い傾向にあり(約51%)、大動脈症例では炎症が強く惹起されていることが示唆され、本研究の仮説をサポートする結果となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、急性大動脈解離の手術で得られる組織を用いて、病変部位において実際に炎症が惹起されているかどうかを、免疫染色法を用いて組織学的に解析した。始めに、炎症性メディエーターであるIL-6の発現変を検討したが、適切な抗体が見つけることができなかった。そのため、IL-6の転写因子であるStat3のリン酸化(pStat3)を指標に、炎症の惹起と炎症性メディエーターの発現を評価した。大動脈解離群において大動脈壁内部のpStat3陽性細胞の割合は約71%で、コントロール群(真性瘤)と比較して高い傾向にあり(約51%)、大動脈症例では炎症が強く惹起されていることが示唆され、本研究の仮説をサポートする結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度はさらに症例を集めるとともに、大動脈解離部位での炎症が肺障害に関与するかどうか検討を行う。具体的には, まず大動脈解離を呈した大動脈壁の培養液内から得られる炎症性サイトカインを免疫不全モデルのマウスに経尾静脈投与し, 肺障害の程度を病理学的に検討する。さらに, この培養液に好中球エラスターゼ阻害薬を混入させたものを同様にマウスに投与し, 肺障害の悪化抑制が認められるかどうかを検証する。
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