研究課題/領域番号 |
22K08956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
金光 ひでお 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 呼吸・循環研究部, 研究主幹 (60810166)
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研究分担者 |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40281092)
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 脱細胞組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、脱細胞化ゼノグラフト(異種動物)血管組織作製技術と臨床使用品質のヒトiPS細胞技術の融合により、先天性心疾患等に用いることのできる生体適合性の高い自己成長型ヒト化血管グラフトを開発することである。本研究で開発する生体適合性の高い人工血管は、先天性心疾患手術のみならず多岐にわたる心臓血管外科領域における遠隔期手術成績および患者QOLを向上させることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、脱細胞化ゼノグラフト(異種動物)血管組織作製技術と臨床使用品質のヒトiPS細胞技術を組み合わせ、生体適合性の高い自己成長型ヒト化血管グラフトを開発することである。本研究で開発する生体適合性の高い人工血管は、先天性心疾患手術のみならず多岐にわたる心臓血管外科領域における遠隔期手術成績および患者QOLを向上させることが期待される。本年度は以下の2項目について主に研究開発を行った。 1.HLAホモヒトiPS細胞由来血管内皮細胞・血管平滑筋細胞分化誘導法の開発:前年度までに確立した非臨床用汎用iPS細胞株(201B6株)を用いた血管内皮細胞および血管壁細胞(血管平滑筋細胞)の分化誘導法を応用し、HLAホモヒトiPS細胞を用いた分化誘導法の確立を行った。誘導した細胞の純度をフローサイトメトリーにより表面マーカー(血管内皮細胞:CD31 / VE-adherin、血管壁細胞:PDGFRb)の定量を行い、十分な純度で血管内皮細胞および血管壁細胞を分化誘導しうることを確認した。 2.脱細胞化ゼノグラフト血管組織に対するヒトiPS細胞由来血管細胞の播種実験:前年度までに確立したウシ由来の脱細胞化ゼノグラフト血管組織に対して、これまでに確立したヒトiPS細胞由来血管内皮細胞の播種を実施した。Calcein-AMなどを用いて細胞生着効率などを評価した。その結果、一定の効率での生着を認めたが、血管内膜を十分に被覆するまでの生着効率には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における根幹である脱細胞ゼノグラフト血管組織に対するヒトiPS細胞由来血管細胞の播種実験の実施に至ることができた。一方で十分に内膜を被覆するまでの生着効率には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は脱細胞組織に対する細胞外マトリクスタンパクによるコーティング、流水培養による生着効率の向上(Ho, Sci Rep 2022など)、ヒトiPS細胞由来血管細胞における生着効率を上げる分化誘導段階の同定などにより、将来的に臨床応用に資するグラフト作製に向けた検討を重ねる。同時に、脱細胞グラフトを構成するタンパクによるヒトiPS細胞由来血管細胞への生物学的挙動を確認するための生化学的あるいは組織学的検討を行う。
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