研究課題/領域番号 |
22K08958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 (2023) 島根大学 (2022) |
研究代表者 |
織田 禎二 浜松医科大学, 医学部, 協定訪問共同研究員 (50448198)
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研究分担者 |
鈴森 康一 東京工業大学, 工学院, 教授 (00333451)
明穂 一広 島根大学, 医学部, 臨床工学技士長 (10873515)
難波江 裕之 東京工業大学, 工学院, 助教 (90757171)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心臓の構造 / 左室収縮能 / 模擬心臓 / McKibben型人工筋肉 / 心筋バンド / 人工心臓 / 左室の収縮特性 / 人工筋肉 / 心不全 / 心臓再同期療法 / 左室縮小手術 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋細胞は20%以下の収縮能しかないが、心臓の左室駆出率は60%を超える。この謎を解く上で心筋線維の構築を解明することが重要であるが二つの学説(helical ventricular myocardial band説,three dimensional meshwork説)が提案されている。心臓の高い駆出能の秘密を解明する方法として、心筋と似た特性を持つMcKibben型人工筋肉を用いて二つの学説に従って心臓の心筋線維構築を模倣して模擬心臓を作ることに挑戦する。その駆動条件を心臓に似せることで心臓の高い機能の秘密に迫り、二つの学説のそれぞれの有効性を評価する。
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研究実績の概要 |
模擬心臓を製作するために、当初予定したヒト心臓を検体(cadaver)を用いることが倫理的な観点からできないことが判明したため、ブタ心臓を用いて学説(unique myocardial band説)の提唱者であるGuasp先生の方法に従って、捌く試みを繰り返し、心筋バンドに解くことに成功した(Guasp先生の方法の再現に成功した)。この過程、つまり、ブタ心臓処理前、捌いた心臓(心筋バンド;脱構築)、さらにこの心筋バンドを元の心臓の構造に巻き戻した状態(再構築)をそれぞれ臨床用高性能CTで撮像し、3Dビューアで画像を確認した。 このデータをDICMOファイルとして研究分担者である東京工業大学の鈴森研究室に送り、3Dプリンタ出力してブタ心筋バンドの軟組織モデルを製作することに成功した。今度はこのモデルに人工筋を配置してブタ心臓から再現した模擬心臓モデルを製作する予定である。 一方、臨床用のCT画像データの専用アプリであるVINCENT(富士フイルムメディカル)を用いてヒト心臓CTデータ(操作練習用に用いられる実際のヒト心臓CTデータ)を実際に心臓を捌くのではなく、データ上で捌くことができることが分かり、現在その解析作業を進めている。この解析に成功すれば、当初の予定とは異なるが、実際のヒト心臓を用いることなく、正常ヒト心臓、病的心臓(心不全心臓)のCTデータをVINCENTを用いて捌くことが可能となり、さらに捌いたデータをDICOM変換し、さらにSTL出力することで3Dプリンタ出力が可能となり、ヒト正常心臓を再現した模擬心臓、中等度心不全心臓を再現した模擬心臓、高度心不全(心臓移植対象レベル)心臓を再現した模擬心臓を製作可能となる。これを実際の心臓の拍動を真似て駆動させることにより正常心臓の機能と心不全心の機能を再現することが可能となり、新たな心不全研究の方法論に発展しうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した方法論(ヒト献体を用いて実際の心臓を学説に基づいてバンド状に捌く)から、心臓CTデータを利用してこれを専用アプリ(VINCENT)を用いてデータ上で心臓を捌くことができることが見出されたため、この方法を発展させることにより、研究計画を進めることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
浜松医科大学の医の倫理委員会に申請して承認を得た後、正常心臓の心臓CTデータ、複数の段階の心不全の心臓CTデータにアクセスして、アプリ(VINCENT)を用いてデータ上で心臓を捌いてバンド状に解き、これを3Dプリンターを用いて出力してシリコン製心筋バンドを製作しこの上に人工筋(東京工業大学の鈴森研究室製作)を配置して空圧駆動して、実際の正常心、心不全心の拍動をモック回路に接続して再現する。心臓を拍動させ、実際に液体を拍出させるためには模擬の血管・弁が必要になる。これらは現在、臨床用の人工血管、人工弁を用いて製作しているが、将来的にはこれらについても新しい模擬血管、模擬弁の開発が別に必要になる。さらに模擬心臓の拍動を観察するためには心エコー法は非常に有用であるため、模擬心臓をファントム内に埋込み心エコー装置による模擬心臓の心機能解析を可能にする必要がある。
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