研究課題/領域番号 |
22K08976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
三崎 伯幸 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50452678)
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研究分担者 |
加藤 歩 香川大学, 医学部, 助教 (00860298)
横田 直哉 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (10636492)
大月 康弘 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40866125)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | インドシアニングリーン / 肺区域 / 血中濃度 / 赤外光胸腔鏡 / 区域切除術 / 蛍光 |
研究開始時の研究の概要 |
肺区域切除術は大きな転機を迎えている。大規模研究で原発性肺癌の標準手術となる可能性があるが、局所再発、術後合併症が多いという欠点がある。申請者は、インドシアニングリーン(ICG)を用いた赤外光胸腔鏡を用いて区域間を同定する方法を開発し、今までの気流を中心とした評価方法に比し高い有効性を示し普及した。しかし早期にウオッシュアウトしたり、境界に染み出してきたりして蛍光が安定しない問題がある。本研究で常に安定した蛍光とする。今後の区域切除術の欠点に際して解決するべき喫緊の課題である。 本研究で、ICGの体内動態を解明し、安定した蛍光を提供する投与システムを確立し、安全な区域切除術を可能にする。
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研究実績の概要 |
本年度に計画した課題は2つは以下の通りでテーマに対して、それぞれの方法での結果を得た。 【課題①】:早期相での生体内ICGの動態の解明 ・マウスを用いたインドシアニングリーン(ICG)の早期相での組織移行と代謝の解明:予定の5頭を用いて、ICGを静脈投与し体内分布状況を赤外光胸腔鏡下に確認し、臨床と同様の肺のWash outは早く、肝臓は経時的に蛍光が強くなることを確認した。腸管の蛍光が強いモデルと、肺や心臓の蛍光が強いモデルがあり初期の組織内ICG濃度が必ずしも均一ではないことが確認できた。・イヌを用いた循環動態と蛍光度の評価:生体でのクインチング効果を確かめようとしたが、減弱現象は認めず濃度依存性に蛍光は増強した。本研究系で目指した生体の理想的なICG血中濃度はわからず、臨床での検討課題となった。 【課題②】:安定した蛍光のためのICG投与システムの開発 ・臨床下での投与量と速度とICG血中濃度の関連性を解明:区域切除術で赤外光胸腔鏡を用いる予定の症例に、基礎研究で理解されている理想とするICG濃度2.5-10mg/lをターゲットとして、経皮的にICG濃度を測定して、ICG投与速度と量を割り出した。理想としたICG濃度との血中濃度、蛍光輝度の相関ははっきりとはせず、やはり動物実験で得られた個体差が多きいものと考えられた。大きな原因としては循環血液量の差であり、静脈還流量の差と考えられた。・循環と投与速度と蛍光の関係からシステムの構築:橈骨動脈に留置したラインに動脈圧心拍出量測定計を接続し、心拍出量を測定して、計算上で理想とするICG投与を行う方法では、これまでの蛍光輝度とは差はないものの、同定率が向上し、ICG血中濃度のばらつきが抑えられた結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ガイドラインの変更によって区域切除の数が、当初予定していた数と比較して大幅に増えたため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床下での安定性と効果を検証:区域切除術に対して、引き続きICG投与システムを用いて蛍光を観察し、蛍光時間と蛍光強度、区域間の同定可能時間で蛍光の安定性を評価する。同時に術後合併症の有無、断端距離を専用シートに保存し、最終症例登録後に有効性の評価を行う。また心拍出量測定を必要としない方法が可能かを探る。
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