研究課題/領域番号 |
22K08979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
池田 公英 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20448525)
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研究分担者 |
千場 隆 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 客員講師 (30897682)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肺癌 / 好中球 / Ly6d / 非小細胞肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、非小細胞肺癌におけるLY6D発現が腫瘍中のTAN浸潤に与える影響について検証し、その臨床的意義を明らかにすることである。我々は予備データより、非小細胞肺癌において、LY6DがTANの腫瘍浸潤および活性化を制御し、術後再発に関わっている可能性を見出している。本研究では、主に臨床検体の網羅的トランスクリプトーム解析と組織学的検討により、術後再発に影響を及ぼすTANとLY6Dを結びつけるメカニズムを明らかにする。本研究は、術後再発を防ぐためのこれまでにない治療戦略を開発するTranslational researchとして大きな意義を持つと考えられる。
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研究実績の概要 |
非進行非小細胞肺癌の標準治療は外科的切除であるが、患者の多くが術後に再発をきたす。従って、術後再発のメカニズムを理解し、コントロールすることは非小細胞肺癌治療のために必要不可欠である。近年、腫瘍中の好中球 Tumor-associated neutrophil(TAN)が腫瘍の転移や再発に重要な役割を担っていることが明らかになりつつある。我々のグループは、肺癌マウスモデルの作成を通じてLy6ファミリーの一員であるLY6Dが腫瘍細胞に高発現していることを発見し、実際の患者組織検体においてもLY6Dが発現していることを報告してきた。さらに、公開トランスクリプトームデータベースの解析より、LY6D高発現群では好中球の活性化に関わる遺伝子が活性化していること、LY6D高発現腫瘍にはより多くのTANが浸潤している傾向を見出した。これらの知見から、LY6D発現は好中球の活性化や浸潤に関与し非小細胞肺癌の転移再発に寄与している可能性を考えた。 本年度は腫瘍中の好中球浸潤を解析するために種々の免疫細胞、線維芽細胞、腫瘍マーカーを同一スライドで検出できるマルチプレックス免疫組織染色法の条件検討を行った。また、染色・撮像した画像を解析する解析パイプラインの構築を行った。さらに、免疫細胞浸潤におけるLy6dの機能を解析するために、Ly6dを発現する細胞がEGFPで蛍光標識され、Ly6dを任意のタイミングでノックアウトできるLy6dコンディショナルノックアウトマウスの作製に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Multiplex免疫組織染色の手法を確立し、好中球を含む種々の免疫細胞、線維芽細胞、腫瘍を同一スライドにて解析できるプラットフォームを樹立した。また、生体におけるLY6Dの機能を詳細に評価するためにLY6Dコンディショナルノックアウトマウスの作成に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
LY6Dをコンディショナルにノックアウトできるマウスを用いて、LY6Dの好中球浸潤における役割を生体内で評価する。また、RNAシーケンシングによって、LY6Dの下流で働く分子シグナルの同定を行う。
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