研究課題/領域番号 |
22K08984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
嶋田 善久 東京医科大学, 医学部, 講師 (00459497)
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研究分担者 |
吉岡 祐亮 (吉岡祐亮) 東京医科大学, 医学部, 講師(特任) (60721503)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70246205)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小細胞癌 / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞癌は細胞分化に関わるマスター転写因子によってPhenotypeに分類される。 癌と神経変性疾患は細胞運命の点で正反対の疾患であるが、共通の分子機構も報告されている。鉄依存性制御性細胞死フェロトーシスは、神経変性疾患の細胞死に関わる。我々は小細胞癌でその誘導治療の感受性が高いことを証明した。また脱ユビキチン化酵素UCHL1は小細胞癌の治療標的となることも実証した。小細胞癌はその神経内分泌性格から、特定の神経変性疾患関連分子を標的とした治療が有効である可能性がある。 本研究では、小細胞癌の発癌・転移における、神経変性疾患関連分子の役割をPhenotypeに基づき解明し個別化治療開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、肺小細胞癌の悪性化機構における神経変性疾患関連分子の役割を解明し、新規個別化治療開発につなげることである。化学療法未治療小細胞肺癌標本および正常肺を用いて、4つの小細胞肺癌マスター転写因子(ASCL1/NEUROD1/POU2F3/YAP1)についてqRT-PCRを行った。これらの遺伝子発現に応じてまず各症例を分類した。全症例を解析群と検証群に分け、解析群(小細胞肺癌+正常肺)で網羅的遺伝子解析を行った。得られた遺伝子プロファイルを用いて、1) 小細胞肺癌と正常肺、2) 神経内分泌群(ASCL1/NEUROD1)と非神経内分泌群(POU2F3/YAP1)とで比較解析を行った。異なる発現を認めた遺伝子群(DEG)を抽出した。またパスウェイ解析、GO解析、エンリッチメント解析を行った。それらの結果より、さらに神経内分泌疾患関連遺伝子23個、フェロトーシス関連遺伝子22個について比較解析を行った。フェロトーシスに関連するスコアを二つの手法(TPMを用いた幾何平均法及びGSVA法)で算出し、それぞれの手法の相関性について解析した。GSVA法によるスコアに基づき分子シグネチャーデータベースを用いてクラスタリングを行い、各症例群の特徴について検討した。そこから、各群に関係する特徴的な遺伝子を抽出した。同様の手法で神経変性疾患関連遺伝子群においても関係する特徴的な遺伝子を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は小細胞肺癌の網羅的遺伝子解析の結果より、バイオインフォマティクス解析を主に行った。小細胞肺癌の各群(神経内分泌群/非神経内分泌群)と特徴的な神経変性疾患関連遺伝子及びフェロトーシス関連遺伝子を抽出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は免疫細胞においても特徴的な神経変性疾患関連遺伝子・フェロトーシス関連遺伝子を抽出する。小細胞肺癌の公開データべ―ス、TCGAデータ、及び検証群の標本を用いて検証解析を行っていく。検証解析は各種細胞株においても行う予定である。
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