研究課題/領域番号 |
22K08986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宗 淳一 近畿大学, 医学部, 教授 (90559890)
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研究分担者 |
須田 健一 近畿大学, 医学部, 講師 (30631593)
光冨 徹哉 近畿大学, 医学部, 教授 (70209807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | KRAS / 変異 / 肺がん / 標的薬 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
KRAS変異は様々な悪性腫瘍で認められる。KRAS変異は肺がんの15-30%に認め、約40%がKRASG12C変異である。KRAS変異に対する標的療法は、KRASG12C変異蛋白の薬剤結合ポケットが発見されてKRASG12C標的薬が開発され、一定の治療効果を示したが、改善の余地がある。また、KRASG12C標的薬への獲得耐性として、二次変異獲得などの耐性化機構は解明されつつあるものの不十分で、臨床応用の課題となる。本研究では、KRASG12C変異肺癌へのKRASG12C標的療法の治療効果の改善とその獲得耐性の克服を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、肺がんにおけるKRAS変異標的療法の効果改善と耐性化克服を目的として、#1. KRASG12C標的薬に対する初期耐性機構の解明と克服、#2. KRASG12C標的薬の慢性曝露による獲得耐性細胞株の樹立と耐性機序の解明、、#3. 獲得耐性例の治療法および耐性例出現の抑制法の開発、を計画している。 #1については、Ba/F3に各種KRAS変異を導入して樹立したKRAS変異細胞株のうち、G12C変異以外の細胞株が感染していることが判明し、現在、細胞株の再作成を検討している。 #2については、二つの細胞株でKRAS G12C標的薬の長期暴露を行い、1つの細胞株で耐性株を樹立し、その機序を解明しているところである。もう一つの細胞株は、標的薬への感受性が強く、樹立が困難であるが、樹立できれば、その原因を検証する。 #3については、すでに耐性化が獲得できている細胞株の機序について、検証を行っており、機序が判明すれば、それに対する標的薬を単剤もしくはKRAS G12C阻害剤との併用により、検証する。 以上のごとく、#1については、不測の事態により、実験が止まっているが、#2では成果が出ており、#3の検討もできる体制になりつつある。別の細胞株においても、獲得耐性株の樹立を行い、さらなる検討を行う所存である。また、KRAS G12D阻害剤の臨床応用も昨今検討されており、Phase1/2の臨床試験も行われているため、その基礎的検討をおこなうことも検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KRAS変異ベクターを導入して樹立しておいたBa/F3細胞株が感染により、G12C変異以外の細胞株が使用不可能になったため、#1の解析ができていない。ただ、#2の検討は当初の予定より早く進んでいる部分もあり、#3の検討も進められているため、さほど遅れは認識していない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、耐性株の樹立が難しい長期暴露株の獲得耐性を獲得するよう、薬剤暴露を慎重に続ける。樹立できれば、すでに検証が進んでいる耐性株と同様に検討を進め、耐性化克服の手立てを考える。近年、G12D阻害剤の臨床応用も検討されており、その効果の検討も考慮する。
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