研究課題/領域番号 |
22K08994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 (2023) 富山大学 (2022) |
研究代表者 |
本間 崇浩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50436797)
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研究分担者 |
大平 猛 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (00275695)
早川 芳弘 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (10541956)
佐々木 宗一郎 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50583473)
薄田 健史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50880689)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マイクロバブル / ナノバブル / 胸腔内ガス環境 / VEGF / 胸膜播種 / 癌性胸膜炎 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性胸水を伴う肺癌の5年生存率は3.9%と極めて予後不良である。他癌の癌性胸膜炎、悪性胸膜中皮腫、胸腺腫の播種においても悪性胸水は予後不良因子である。現状の経静脈的もしくは経口の薬物療法では、胸腔内の腫瘍細胞に十分な治療効果が望めないことを意味する。 胸腔内の腫瘍細胞、すなわち壁側胸膜および臓側胸膜の中皮層に存在する腫瘍細胞は、同じ腫瘍細胞でも上皮系とは異なる環境にあり、薬剤感受性を高める新しいアプローチの治療の必要性が示唆される。我々は帯電性ナノバブル含有条件下で腫瘍細胞の増殖抑制効果を見出した。本研究では帯電性ナノバブルを用いた、新しい胸腔内腫瘍治療の開発を目指し計画を立案した。
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研究実績の概要 |
本研究は原発性非小細胞肺癌による胸膜播種に対して、帯電性ナノバブル含有条件下で腫瘍細胞の増殖抑制効果の検討が目的である。 現在まで5つのことを実施した。 (1)ヒトの胸腔内ガス環境に関する研究を実施した。分離肺換気の際、サンプリングチューブを胸腔内に置き、麻酔器を用いてガス分析を実施した。研究の結 果、胸腔内は大気よりも高二酸化炭素濃度環境(+1.0 mmHg [IQR: 1-2])にあることが判明した。酸素濃度上昇はなく、吸入麻酔薬は検出しなかった。胸腔内が 高二酸化炭素濃度環境にあることは十分知られていない。悪性胸水中にVEGFを多く検出することは知られている。また、二酸化炭素がVEGF産生を促進させること はすでに知られており、今回の結果は既知の事実を裏付ける結果である。研究内容は論文として執筆済みで、英文校正を経て現在査読中である。 (2)癌細胞A549(ヒト上皮癌細胞)を用いて、大気含有プラス帯電性ナノバブル実験を実施した。通常の培養条件と比較して、培養細胞数の明らかな増殖抑制効果を168時間後まで継続して認めた。ディッシュ内の細胞は浮遊した状態で、細胞間接着現象を認めなかった。(3)癌細胞の生存を確認するため、トリパンブルー染色を行った。癌細胞増殖抑制効果を認めたものの、染色結果から癌細胞は生存してることも判明した。(4)マイクロバブル含有下にも同様の実験を実施したところ、同様の結果であった。(5)トリパンブルー染色結果についても同様であった。以上を現在学会発表および論文作成中である。今後は胸腔内の高二酸化炭素環境に合わせたガス濃度を設定し、培養環境を変化させ同様の実験研究、接着しないことからカドヘリンを主とする接着因子の研究も追加・検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は原発性非小細胞肺癌による胸膜播種に対して、帯電性ナノバブル含有条件下で腫瘍細胞の増殖抑制効果を検討することが目的である。現在まで2つのことを実施した。(1)ヒトの胸腔内ガス環境に関する研究を実施した。分離肺換気の際、サンプリングチューブを胸腔内に置き、麻酔器を用いてガス分析を実施した。研究の結果、胸腔内は大気よりも高二酸化炭素濃度環境(+1.0 mmHg [IQR: 1-2])にあることが判明した。酸素濃度上昇はなく、吸入麻酔薬は検出しなかった。胸腔内が 高二酸化炭素濃度環境にあることは十分知られていない。悪性胸水中にVEGFを多く検出することは知られている。また、二酸化炭素がVEGF産生を促進させることはすでに知られており、今回の結果は既知の事実を裏付ける結果である。研究内容は論文として執筆済みで、英文校正を経て現在査読中である。 (2)癌細胞A549(ヒト上皮癌細胞)を用いて、大気含有プラス帯電性ナノバブル実験を実施した。通常培養と比較して、培養細胞数の明らかな増殖抑制効果を認めた。マイクロバブル含有下にも同様の結果が得られた。一連の実験により、プラス帯電性ナノバブル、マイクロバブルが癌細胞の増殖抑制に寄与することが判明した。これは実験を継続する重要な結果である。現在、論文執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、大気と同じ条件下で明らかな有効性を認めた。胸腔内は高二酸化炭素濃度環境にあることから、ガス環境を変化させて同様の結果が得られるか検証が必要である。また、がん細胞は接着しないまま生存していることから、VEGFや接着因子に関する検討も必要と考えている。具体的には、1培養環境の二酸化炭素濃度を変化させ、薬剤なしの培養を実施する。2胸腔内の高二酸化炭素環境に合わせたガス濃度を設定し、培養環境を変化させ同様の実験を実施する。さらに3含有バブ ル内ガスを変化させ効果を確認する。コネクタチューブに、O2、O3、CO2、NOを接続しバブル内ガス組成を変化させる。また、4分子標的治療薬(EGFR-TKI、抗 VEGF抗体)や免疫療法(ニボルマブ)の薬剤による研究、5カドヘリンを主とする接着因子に関する研究も追加・検討したい。
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