研究課題/領域番号 |
22K09004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大谷 悠介 岡山大学, 大学病院, 医員 (90894270)
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研究分担者 |
藤村 篤史 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10771082)
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30397880)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肺癌 / 癌微小環境 / シュワン細胞 / アドレナリン / 化学療法抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌微小環境における神経前駆細胞胞様の形質を有するDCX陽性細胞が注目され、既報にてDCX陽性細胞は悪性度の高い腫瘍に多く存在し、交感神経系統に分化する可能性が示された。我々は予備実験にて、肺癌組織におけるDCX陽性細胞が末梢神経軸索周囲のシュワン細胞由来であることを解明し、それらの細胞が交感神経系統に分化することを実証した。本研究では、正常肺組織のDCX陰性のシュワン細胞と、肺癌組織のDCX陽性のシュワン細胞のsingle cell RNA-seq profileをそれぞれ比較し、シュワン細胞からDCX陽性細胞へ脱分化する機序を解明し、その機序に基づいた新たな治療戦略を構築する。
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研究実績の概要 |
今年度はvitro環境における肺癌がシュワン細胞に与える影響および、シュワン細胞が肺癌細胞に与える影響を主に解析を行った。その中で肺癌細胞が、シュワン細胞によって癌幹細胞性が上昇している可能性をvitroにおいて、人工的に作成した共培養の環境で、予想していた通り確認できた。このことはシュワン細胞に介入を行うことは、癌幹細胞性を低下させ、肺癌の化学療法における抵抗性を改善させる有効な治療法になりうる可能性をより強く示唆することとなった。またシュワン細胞がvitro環境においてがん由来の液性因子を添加することによって、アドレナリンの産生が亢進することも確認できている。肺癌細胞とシュワン細胞のクロストークに注目し、このクロストークに対する介入方法を現在検討中である。 そのひとつとして癌幹細胞性を増悪させると考えているアドレナリンを抑制する治療方法を検討しており、局所的にアドレナリンを制御しうる介入方法を開発予定である。そして前臨床試験につなげていけるよう引き続き実験を行っていく。シュワン細胞がDCX陽性細胞に遷移を掌握する課題については、今後single cell RNA sequenceおよびATAC-seq (Assay for Transposase-Accessible Chromatin Sequencing)での解析によって詳細に検討することができるよう動物実験の準備を引き続き行っていく方向である。
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