研究課題/領域番号 |
22K09030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
増井 健一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20303430)
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研究分担者 |
濱上 知樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30334204)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 全身麻酔 / 麻酔薬理 |
研究開始時の研究の概要 |
全身麻酔管理では患者の個人差を考慮した麻酔薬投与が必要となる。術中覚醒を避けようとして過量投与になれば、血圧低下や麻酔効果の遷延といった副作用が生じる。現状では適度な薬物投与量の決定は麻酔科医の経験に基づいて行われており、脳波モニタや薬物動態力学の多くの知見がある現在でも容易ではない。日本で普及している麻酔情報管理システムにはバイタルサインモニタや脳波モニタの情報や麻酔薬の投与記録が電子情報として集約・蓄積されている。このビッグデータを高度なレベルで二次利用し、手術麻酔での患者状態の変化の予見や投薬等の介入に役立てる研究を行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度は研究協力者の施設における全身麻酔症例4000超の自動麻酔記録データおよび電子カルテデータを取得することを決定し、まず、どのような方法でデータを取得するかを検討した。電子カルテからのデータ取得については、データベースから電子的にデータを引き出す方法がとれなかった。もし、一人一人の患者カルテを開いて目的の情報が含まれる画面を開き、データを視認して別のコンピュータに入力するという作業を行い、一人のデータを3分で取得した場合、200時間もの時間が必要となる。また、データの取得エラーの可能性が排除できず、データの正確性の確認も手作業で行う必要があり、データの質が低くなる可能性がある。そこで、電子カルテのデータを取得するための専用プログラムを作成し、データを取得することとした。この方法により、正確なデータをほぼ自動で取得することができた。自動麻酔記録のデータは、保存されているデータベースから取得した。データのチェックを慎重に行ったところ、自動麻酔記録の仕様が古かったことが原因で、最終開発後に発売された吸入麻酔薬のデータが記録されていないことがわかったが、2500例以上のデータが利用可能であることが確認できた。さらに、収集したデータのうち必要のないデータを削除するなどのデータクリーニングを行い、部分的な(例えば、麻酔導入時のみ,、手術終了後のみ、など)のデータを取り出すソフトウェアの作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子カルテと自動麻酔記録という2つの医療情報システムからデータを取り出す作業を行った。今回の解析に必要となる病名等の情報を電子カルテから取り出す作業は、通常では手作業となり膨大な時間を費やすことになる。今回は専用のプログラムを作成することにより大幅に時間を節約して作業を進められ、一次データクリーニングを行い、第一段階目的である「十分な鎮静効果を得られてかつ低血圧のリスクを少なくする麻酔導入薬物量を推測し、手術開始前までの血圧の変化を予見するモデルを構築」のデータ準備をはじめている。このモデルの構築は令和5年度までに行うこととなっており、ほぼ計画通りの進行状況である。
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今後の研究の推進方策 |
「十分な鎮静効果を得られてかつ低血圧のリスクを少なくする麻酔導入薬物量を推測し、手術開始前までの血圧の変化を予見するモデルを構築」するためのデータの準備ができたら、当初の研究計画に従って、従来の統計解析によるモデル、および機械学習によるモデルを構築する。このモデルの構築後、「全身麻酔薬の覚醒濃度を予測するモデルを構築」に着手する。
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