研究課題/領域番号 |
22K09034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
小林 希実子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70418961)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一次知覚神経 / 痒み / 痛み / 炎症 / 脊髄後角 / 末梢神経障害 / DRG / 炎症性疼痛 / NppB/BNP / オピオイド受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
痛み受容体・痒み受容体が多数クローニングされ各遺伝子の発現が検討されて、痛み・痒み回路は別回路であると思われていたが、痒みと痛みのシグナル伝達は末梢からの刺激によりお互いのシグナルをシフトすることで移行していることが考えられる。本研究では皮膚を支配する一次知覚神経に発現する様々な受容体の共発現と脊髄への影響を調べることで、痛み優位あるいは痒み優位になるそれぞれのシグナルを抑制・促進しあうメカニズムやその状況・環境を調べることで鎮痛、掻痒抑制効果のターゲットになる因子をとらえることが大きな目的である。
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研究実績の概要 |
痛み受容体・痒み受容体が多数クローニングされ、各遺伝子の発現が検討されて、痛み・痒み回路は別回路であると思われていたが、近年では痒みと痛みのシグナル伝達は末梢からの刺激によりお互いのシグナルをシフトすることで移行していることが考えられるようになった。 しかしながら痛み-痒みのクロストークがどの部位で、何によって痛み もしくは痒みが優位になるのかは未だ不明である。そのため一次知覚神経に発現する痛み受容体、痒み受容体の共存関係や痒み・痛みモデルにおける発現や共存関係の変化を検討を行った。 SD雄性ラットの後根神経節(DRG)と脊髄の凍結切片を作成し、痛み・痒み関連リガンドや受容体の共発現を検討すべく、高感度多重蛍光 in situ hybridization(ISH)法の確立を目指した。放射線同位体(RI)を用いたin situ hybridization法は高感度に検出可能であるが、3重以上の検出は難しく、ハプテン標識プローブ等を用いたfluorescence in situ hybridization (FISH)法は多重染色が可能であるが感度が低くノイズや非特異的シグナルが出やすい短所がある。その短所を改善すべく、FISH法のプロトコルを見直し様々な条件を検討した結果、RI in situ hybridization法で検出の露光時間が約1ヶ月かかる遺伝子の検出が約2日と短縮され、感度もほぼ同等になる条件が得られた。RI in situ hybridization法で検出の露光時間に約2ヶ月かかる遺伝子ではまだ条件が定まっていないが、現在までに得られた方法で多重染色を行い解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
体調を崩し細かな作業ができず実験が困難な期間があったため、条件検討のみに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
皮膚に分布する一次感覚神経に焦点を絞り、さらに詳細に痛み・痒み関連受容体の共存関係を検討することで、受容体間の相互作用を明らかにする。 SD雄性ラットを用いて、逆行性トレーサーであるFluoro Goldを皮下に投与し皮膚感覚に関与するDRG neuronを同定した後にリガンドや受容体の共存関係を検討する。検討する受容体は小型-中型中心に発現する神経ペプチドやサイトカイン、受容体にしぼり、共存関係を検討する。共存関係を調べるには昨年度に得られたベストな条件の多重蛍光 in situ hybridization法を使用する。蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡を使用して撮影し、Image Jを用いて効率的な解析を行う。
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