研究課題/領域番号 |
22K09053
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡邊 真理子 東海大学, 医学部, 講師 (60609220)
|
研究分担者 |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 脊髄 / NMDA受容体 / グルタミン酸 / ダイノルフィン / Dセリン / 慢性疼痛 / マイクロダイアリシス |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疼痛とDynの代謝変動の関連解析は、国内外のいくつかのグループで行われている。しかし、ダイノルフィンがどのようにしてNMDA受容体を活性化するかについては不明である。D-セリンはNMDA受容体グリシン結合部位の内在性リガンドとしてNMDA受容体活性を調節する。本研究では、D-セリンとダイノルフィンの慢性疼痛における連関の解明を目的に、D-セリン代謝関連酵素遺伝子の改変動物などを用いてD-セリン代謝、ダイノルフィン代謝、慢性疼痛との関連性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
神経障害性疼痛、炎症性疼痛などの慢性疼痛時の脊髄においてダイノルフィンA (Dyn)量が増加することが知られている。しかし、脊髄内Dyn量増加による慢性疼痛発症メカニズムは不明である。これまでに申請者らは、(1)高用量Dynをラット脊髄内投与すると疼痛を示すこと、(2)Dyn代謝物を脊髄内投与して生じる疼痛はintactなDynと比べて弱いこと、(3)Dynをラット髄腔内に投与して生じる疼痛はNMDA受容体グリシン結合部位アンタゴニストにより拮抗されること、(4)D-セリン髄腔内投与により疼痛を示すこと、などを明らかにした。D-セリンはNMDA受容体グリシン結合部位の内在性リガンドとしてNMDA受容体活性を調節する。前年度に行った、Dynなどのオピオイドペプチドを極めて高感度な電気化学検出器とHPLC法を組み合わせた新たな検出法の検証を行った。その結果、ダイアモンド電極を用いた電気化学検出器でメチオニンエンケファリンを定量分析することが再現性よく行うことを明らかにした。この手法を用いて、脊髄内ダイノルフィンの検出が可能であることが示唆された。 マイクロダイアリシス法により脊髄後角における細胞外液を回収し、L-グルタミン酸、L-セリン、D-セリンの定量法について検討した。Freund's Complete Adjuvantを後肢足蹠の皮下に注入し作成した持続性炎症疼痛モデルラットの脊髄内にマイクロダイアリシスプローブを挿入し、脊髄後角細胞間隙中の神経伝達物質を回収した。ホルマリン刺激により慢性疼痛の発症時(投与10分後まで)にはNMDA受容体アゴニストのLグルタミン酸遊離量が増加し、維持期(投与30分以後)にはDセリン遊離量が増加することが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロダイアリシス法により脊髄後角における細胞外液を回収し、L-グルタミン酸、L-セリン、D-セリンの疼痛刺激時の遊離量変化を明らかにした
|
今後の研究の推進方策 |
脊髄後角におけるダイノルフィンの遊離量と疼痛についての関連性を明らかにする予定である
|