研究課題/領域番号 |
22K09060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
王 鐸 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 産業医学基礎研究医員 (70899351)
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研究分担者 |
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サイトカインストーム / 好中球 / 粒子状物質 / 内因性物質 / 肺炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者らのグループは黄砂やPM2.5といった越境汚染物質の生体影響を、動物モデルを確立し解析してきた。一連の研究から出たアイデアをもとに、炎症初期に誘導されてくる好中球の役割について検討した結果、部分的にTLR4依存的な現象を見出し、報告した。しかしながら未だTLR4の真の役割については解明できていない。TLRからのシグナルは多くのサイトカイン産生に関わっており、いわゆるサイトカインストームの誘導に繋がる。本研究課題では、好中球由来内因性物質による自己刺激がその受容体であるTLRを介してどのように慢性炎症/サイトカインストームに繋がるのか、そのメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
昨今、ウイルス感染時の過剰な炎症状態、サイトカインストームが注目された。感染が起きた初期は自然免疫が働き、好中球などがその場の炎症を司る。炎症を引き起こす要因としては、Toll様受容体(TLR)を介した細胞の活性化が関与するが、TLRに結合する物質は、外因性の物質に加え内因性の物質(例えばHMGB1やHSP)も寄与することが知られてきた。本研究ではサイトカインストームに繋がる感染症、更には自己炎症疾患におけるKey分子の探索を目的とし、将来的な予防や治療の開発に役立てる研究課題である。 先ず、本年度は研究計画に記載した過剰酸化ストレス誘導メタロチオネイン(MT)ノックアウト(KO)マウスを用いた検討を行った。貪食細胞が異物を取り込み、炎症が惹起されるが、申請者らが汎用してきた粒子状物質 (PM)をその異物として使用し、炎症初期に関与する好中球における炎症誘導について検討した。MT-KOおよび野生型マウスの炎症性好中球表面マーカーであるCD11bの発現レベルに、有意な差は認められなかった。MT-KO マウスの好中球は、野生型マウスからのものよりエンドサイトーシス能が高かった。MT-KOマウスの好中球は、エンドサイトーシスによって誘導される炎症性サイトカインTNF-αおよびIL-6の産生が、野生型マウスよりも高かった。以前報告したように、ダイナミン阻害剤は、野生型マウスおよび MT-KOマウスの両群で好中球におけるPMのエンドサイトーシスを阻害した。興味深いことに、NF-κBの活性化に関与するキナーゼIKKの阻害剤も阻害効果を発揮し、このパスウェイの何らかの関与が示唆された。また、インフラマゾームに関与するNALP3のKOマウスを樹立し、そのエンドサイトーシス能を検討した。IL-1βの産生は完全に消失したものの、PMのエンドサイトーシスには影響を及ぼしていなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の3つの柱のうち、2本について取り組み結果を得ることができたものの、一つの柱についてはまだ結果が得られていない。一方、粒子状物質 (PM) およびその他の炎症性物質をマウスに気管内投与するモデルには着手することができている。それ故、総じて計画通りのペースで進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
動物モデルは既に着手できているので、これらとin vitroのシステムを組み合わせた検討を行っていく計画である。特に、詳細な酸化ストレスと炎症マーカー(NF-κB)について検討する。
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