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無痛症のメカニズムの解明:生体内におけるNaV1.7変異が与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K09068
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関信州大学

研究代表者

中村 博之  信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (20838370)

研究分担者 田中 聡  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (60293510)
石田 高志  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60531952)
冨田 拓郎 (沼賀拓郎)  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (60705060)
石田 公美子 (松尾公美子)  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (80467191)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード電位依存性ナトリウムチャネル / 無痛症 / 鎮痛 / NaV1.7 / 疼痛
研究開始時の研究の概要

本研究では無痛症の原因と推定された電位依存性ナトリウムチャネル1.7(NaV1.7)の遺伝子変異をマウスで再現し、変異が痛覚をどのように変容させるか解明する。
まず健常マウスと変異マウスを用いた行動実験で、与える刺激(熱・機械的・化学的)の強度を徐々に高め、痛覚閾値(痛いと感じる最小の強度=痛がりやすさ)を刺激別に評価する。さらにNaV1.7が多く分布する感覚神経細胞をホールセルパッチクランプ法によって電気生理学的に評価し、変異で無痛症となるメカニズムを特定する。
一般にNaV1.7は痛覚伝達の中心的役割を担うとされ、本研究の成果により今までにない強い効力を持つ新規鎮痛薬が開発される可能性がある。

研究実績の概要

申請者の所属研究室では、これまでに先天性無痛症患者から同定された変異型電位依存性ナトリウムチャネルサブタイプ1.7(以下NaV1.7)について研究を進めてきた。培養細胞に変異型および野生型NaV1.7の遺伝子を導入・発現させ、電気生理学的手法(Whole cell patch clamp)を用いた結果、変異型NaV1.7では電流-電圧曲線が野生型に比べ右方偏移し、より発火しにくい性質が確認された。本研究では過去の結果を踏まえ、CRISPR/Cas9技術を用いて変異型NaV1.7を有する遺伝子組換えマウスを作成し、以下の二つの目的を設定した。1.各疼痛刺激に対する疼痛閾値を行動実験で評価すること。2.NaV1.7以外のサブタイプが存在する、より生体条件に近い環境での電気的性質を明らかにすること。

von Frey testによる機械的刺激の測定では、変異型動物は野生型動物と比べて有意に逃避行動を示しにくく、痛覚鈍麻を示唆する所見を得た。また、NaV1.7を多く発現する後根神経節から摘出した単離細胞においても、Whole cell patch clampで上記の強制発現系と同じ傾向が見られた他、総電流量に有意差が生じた。これらの結果は、変異型NaV1.7が痛覚鈍麻を生じうることを示唆し、先述の先天性無痛症患者の原因である可能性が示された。NaV1.7と他サブタイプの役割・発現については生物の種差が大きいことが知られており、今後の研究では、今回の電気生理学的手法で認めた総電流量の差が生じるメカニズムを明らかにできれば、さらなる理解につながる可能性が期待される。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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